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第1回:かくれんぼのできない子ども

早樫 一男 臨床心理士

子どもの遊び

子ども同士の遊びには、目には見えない〝遊び力〟があります。その〝遊び力〟が、子どもの情緒や社会性を育みます。

最近、かくれんぼ遊びができない子どもが増えているとか。子ども同士で楽しく遊んでいる姿が、目に見える部分だとすると、目に見えにくい部分には〝遊び力〟があります。〝遊び力〟を建築物に例えれば、基礎や柱であり、とても重要な部分です。「かくれんぼ遊び」の場合を考えてみると、隠れる側はしばらくの間、一人で息を細めてじっと我慢しなければなりません。狭い空間で孤独に耐えることが必要です。もちろん、相手の動きをイメージし、隠れる場所を探したり、隠れている場所が見つからないよう工夫する知恵も必要になります。一方、探す側はどうでしょう。自分ならどこに隠れるか? ここでも、相手の立場にたって想像する力が必要になります。お互いに、相手の存在は見えませんが、心の中には存在しています。

このような認識力が基礎部分の一つとすれば、情緒的な面も基礎部分として重要です。見つけたときのうれしさや、見つかったときの悔しさ。時にはケンカもするでしょう。いろいろな素朴な感情が交錯するなかで、他者に対する信頼感や思いやりといった情緒が育まれていきます。もちろん、遊びを通してルールを学びます。社会性も育っていきます。
子どもが安心して遊ぶことができる空間が少なくなったという環境要因、身体能力の未熟さからくる体の要因、ビデオ、パソコン、ゲーム機といったIT器機の影響、自分中心的な言動やコミュニケーションがうまくとれないといった対人関係面での課題等々、遊びができない理由は多岐にわたります。

そこで、できることから考えてみてはどうでしょうか。本来、遊びは子どもの特権です。神様は人間の陽気ぐらし、陽気遊山を楽しみにしておられます。親子で楽しく遊ぶことはとても大切ですね。「親と楽しく遊んだ」という体験は、子どもの心に他者への信頼感や安心感など、大切な情緒を育む基礎とでしょう。

いきいき通信2007年1月号掲載