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vol.19 〝安心して失敗できる〟環境を

金山 元春天理大学教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


心理学では、児童期、すなわち小学生の時期に「頑張って何かに取り組めば、自分は成長できるんだ!」という経験を重ねることで、生涯にわたって欠かすことのできない〝勤勉の心〟を育むことができると考えられています。
幼児期から児童期にかけて、子供の生活は大きく変化します。自由に遊ぶ時間が多かった保育所や幼稚園とは異なり、小学校では、学校の決まりや教師の指示に従って行動しなければなりませんし、朝から夕方まで授業に集中しなければなりません。

こうした変化に、すぐに適応できる子もいれば、時間がかかる子もいます。個人差はありますが、それぞれの子供のペースに合わせて〝ほどよく〟頑張らせることができれば、子供はぐんぐん成長していきます。
しかし、実際には大人の期待が先走り、子供に無理を強いて頑張らせ過ぎたり、逆に、先案じから子供にとって必要なことでも頑張らせないでいたりすることが少なくありません。

そのいずれにも共通しているのは、大人の側の「子供に失敗させたくない」という思いではないでしょうか。
「失敗しないで!」と迫られると、子供は緊張して、かえって力を発揮できなくなります。その結果、「どうして失敗するんだ!」と叱責されると、一層緊張が増して、また失敗するという悪循環に陥ります。これが続けば、子供は挑戦を避けるようになり、ついには動けなくなってしまいます。

一方、「失敗させるのはかわいそうだから」と必要なことにも取り組ませないでいると、子供は自分の力を実感できず、何かに挑戦するという意欲を持てなくなります。また、これでは失敗を乗り越えるためのすべを学ぶこともできません。
人生において失敗は避けられません。だからこそ私たちは、失敗を恐れずに挑戦する態度や、失敗から学び、成長するための力を身に付ける必要があります。児童期は、その基盤を培う大切な時期です。
そのために大人ができることは、子供が〝安心して失敗できる〟環境を用意することです。
失敗とは挑戦の証です。まずは子供が何かに取り組んだことに注目し、その勇気をたたえましょう。
これは「結果は問わなくてもよい」という意味ではありません。失敗も成長するための機会と捉えて、「今回はこういう結果だった。それじゃあ、次はどうすればいいだろう?」と、未来に目を向けて一緒に考えてください。
大人がこのような姿勢で応援していれば、子供はこちらが感動するような成長した姿を見せるようになります。

天理時報2019年6月2日号掲載