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第17回:解決の糸口見いだす父親の役割

早樫 一男 臨床心理士

笑いのある家族

「笑う門には福来る」。いつも笑いのある家には、自然と幸せがやって来るという意味ですが、笑いは家族問題にも大いに効果があるようです。

家族の中で起きる悲惨な事件。昔も同じような事件があったのかもしれませんが、近年、増加している印象をもちませんか? 家庭内の事件は、家族の一員が加害者となり、被害者にもなってしまいます。とても悲しいことだと思います。
「家族がうまくやっていくには?」と考えてみたとき、以前出会った不登校ケースの最終面接を思い出しました。家族の問題は中学生のA男の不登校でした。家族全員の面接や、両親の面接を一年近く実施したあと、A男が登校を再開しました。以下は、家族の変化を確認した最終面接でのひとコマです。
父「Aは明るくなりました。よくしゃべり、冗談も言います。弟も元気になりました」
母「姉もよく笑っています」
姉「家庭が明るくなった。隠し事もなく、カラッとしているというか、家族がお互いに思っていることを遠慮せずに言えるようになりました」
A男「一番変わったのは父だと思います。冗談が通じるようになりました。今までは冗談で言っても本気にされて怒られました」
父「たしかに一年前でしたら、ちょっと言ったことでも、家族が随分もめたと思いますが、今はそんなことはありません」
祖母「みんなほがらかになりました。よく笑っています。それを見てこっちまで笑いますね」

A男の家族は、父親の存在感の薄さ、両親のコミュニケーション不足(母の父への不満)、嫁姑の問題等々、家族内に多くの課題を抱えていました。相談の初期、大変ギスギスした雰囲気が漂っていました。とはいえ、両親が必ず相談にやって来たことは、家族の変化に大きく寄与したようです。そのような努力の中で家族に「笑い」が生まれてきました。「笑い」は「余裕」につながります。そして、良い循環につながっていきました。面接の中でも「笑い」を大切にしています。「笑いのある家族」であれば、問題が起きたとしても、きっと上手に解決できるにちがいありません。

いきいき通信2008年5月号掲載