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第21回:引けていますか? 家庭のなかの境界線

早樫 一男 臨床心理士

区切り

国と国との間の国境、家と家との間の境界線がはっきりしないと、複雑な問題が生じるように、〝心の境界線〟がないばかりに人間関係がこじれてしまった経験、ありませんか?

卒業や転職、退職など、人生のなかでの一区切りの季節が今年もやってきました。

何事につけても区切りをつけたり、線を引くということは変化につながるものなので、とても重要です。ただし、変化に伴う新たなストレスを感じるかもしれません。

また、グローバル化やIT化の波のなかでボーダーレスが主流となり、なおさら、線を引く、けじめをつける、区切りを明確にするなど、「境界線」の設定は大切なことだと思います。

家庭における境界線となると、最も大切なのは「世代間の境界」です。夫婦(両親)・祖父母・子どもの各世代がまとまっているか、さらに他の世代との間の線が引けているかどうかなのです。ところで、境界線といっても、実際に目に見えるものではありません。心理的な境界線としか表現できないかもしれません。しかし、実際の暮らしのなかでは、世代間の境界線があいまいだなぁとか、崩れているなぁと感じることがあります。たとえば、子どもが夫婦(両親)の話をすべて聞いている。あるいは、夫婦の話が筒抜けである。

また、父親に対する愚痴の聞き役として、娘を頼りにしている母親。さらに、男子中学生と母親の寝室が同じというケースもありました。いずれも、親子の間の境界線があいまいになっています。初孫の世話をいつまでもする祖父母は、やはり線を引くことができていない例です。最近では、夫婦のもめごとに介入する実家の親も世代間の境界があいまいになっています。

一方、親子がまったく口を聞かない、顔を合わすことを避けているといった場合は、境界線が硬直化しているケースです。
「境界線」とか「区切り」といった心の動きは目に見えないようで、具体的な生活のうえでは如実に表れているものです。いま一度、毎日の生活を点検してみましょう。境界線を飛び越してしまうような言動をしていませんか?

いきいき通信2008年9月号掲載