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第22回:子どもへの対処は〝直線より循環〟で

早樫 一男 臨床心理士

新学期を迎えて

進学、進級の春を迎えました。環境の変化に対応できず、情緒不安になるお子さんもいることでしょう。もし子どもが問題を抱えたら、さて親は……?

新学期が始まりました。新しくスタートを切る子どもたち。親にとっては、期待と不安の入り交じった複雑な心境を味わう時期です。

子どもたちは新しい出合いとともに、さまざまな体験をすることになります。親は子どもの成長した姿を見て喜ぶこともあれば、思いがけない行動に直面して戸惑うこともあるでしょう。子どもの問題行動と思われる事態に対し、「友達が悪い」「母親の育て方が問題だ」「父親が子育てに無関心だから」といった親の言葉をよく聞きます。さらに学校と親はそれぞれ、「親が悪い」「学校が悪い」とせめ合うこともたびたびです。何か事が起きると、「原因は?」「犯人は?」といった思考パターンが自動的に働いてしまいます。「原因→結果」という考え方であり、これは「直線的思考」です。科学的な物事(因果関係)は、この考え方で解決できることが多いようです。

しかし人間関係には、複雑な要素が入り交じっています。お互いが影響し合っている「相互関係(相互作用)」なのです。ということは、直線的思考では解決困難なのです。たとえば、母親の過保護な子育てと父親の無関心、一方的に喋る母親と口を閉ざす子ども、小言が多い妻と夜遅く帰宅する夫等々、そのような経験はありませんか?

結果が原因となり、事態がますますエスカレートするという悪循環が起きがちです。そこから抜け出すには、お互いが影響し合って、関係をつくり上げていると考える循環的思考がヒントになります。循環的に考えると原因と結果はあくまでも相互的、相対的なものとなり、変化のプランは少なくとも二つ浮かびます。相手が変わるか、自分が変わるか、です。現実問題として相手を変えることは至難の業。自分の思いを変える、行動を少し変えてみることなら自分の責任で可能です。もしも問題が起きたら、変化に焦点を当て、柔軟な考え方をしてみませんか? 循環的思考で、違った見方ができますよ。

いきいき通信2008年10月号掲載