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vol.21 〝本音の出会い〟を演出する

金山 元春天理大学教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


児童期から青年期にかけては、乳児期や幼児期と比べて仲間と過ごす時間が増えます。発達心理学では、個人差はあるものの、各時期における仲間関係の特徴が次のように指摘されています。
児童期の仲間関係は〝ギャング・グループ〟と呼ばれます。大人から離れて子供だけの世界を作り、徒党を組んで遊び、自分たちだけのルールを作るなどして結束するのが特徴です。この時期に、仲間と〝秘密基地〟を作った人も多いでしょう。
児童期から青年期への過渡期である思春期(小学校高学年から中学生くらい)には、〝チャム・グループ〟が生まれます。
おしゃべりをしながら、互いの共通点を確認し、〝同じであること〟を重視するのが特徴です。食事はもちろん、トイレなどにも仲間と一緒に行きます。仲間から「あれ、面白いよね」と問われれば、「ねー」と返すのが暗黙のルールです。本音では「面白くない」と思っていても、それを口にすればグループ内に居場所がなくなってしまいます。
この時期は、仲間外れをつくることでグループ内の結束を強めようとすることもあり、その標的にならないためには、本音を隠して仲間から期待される姿を演じるしかないのです。
これが青年期(高校生以上)になると、〝ピア・グループ〟と呼ばれる仲間関係へと移行します。自分の思いや考えを素直に伝え合い、お互いが〝異なること〟を知っても、それを認め合いながら共にいられる関係です。こうした中で、青年は他者と異なる〝私らしさ〟に気づくようになります。これが心理学で〝アイデンティティー〟と呼ばれるものです。
ただし、こうした仲間関係の発達は、必ずしも順調に進むとは限りません。とりわけ、互いの顔色を過度にうかがう関係に留まり、その中で神経をすり減らしている青年は少なくありません。これを防ぐためには、青年たちに、安心して互いの本音を語り合える機会を用意する必要があります。
学生担当委員会では、心理学に基づく手法を導入して、学生・生徒たちに、そうした機会を提供しています。
この夏のおぢばでも、青年たちが育成担当者に見守られながら、グループでエクササイズ(作業・課題)に取り組んでいるうちに、自然と本音を語り合い、「いつの間にか互いを認め合う関係を築いていた  」という場面を目の当たりにした方もいることでしょう。
青年層を育てる立場の方には、こうした手法なども活用しながら、青年たちの〝本音の出会い〟を演出してほしいと思います。

天理時報2019年8月25日号掲載