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柔道エジプト代表 天理大学柔道場で強化合宿-2020年東京オリンピックへ-

親里は〝ホストタウン〟

東京2020オリンピック・パラリンピックの開幕まで1年を切るなか、エジプトの柔道ナショナルチームが2日に来日し、同大会での〝ホストタウン〟である天理市で10日間の強化合宿を実施。天理大学柔道場で同大柔道部と共に稽古を行ったほか、並河健・天理市長を表敬訪問した。

ホストタウンとは、東京オリンピック参加国の事前合宿の誘致やスポーツ交流事業を通じて、地域の活性化やグローバル化を図ろうとする地方自治体のこと。348件の申請で416の自治体が登録され、136カ国・地域を受け入れている(7月29日現在)。
天理市をホストタウンとしたいエジプト柔道ナショナルチームは、ロサンゼルス五輪銀メダリストのモハメド・アリ・ラシュワン氏が「東京五輪に向けて、エジプト柔道連盟と天理柔道会との継続的な連携を求めたい」と市へ要請。これを受け、市が大会推進本部へ申請し、平成30年にホストタウンとして登録された。
このほか、フランス柔道ナショナルチームも、これに先立つ28年に登録。同国は「フランス柔道育ての親」といわれ、フランス最高勲章であるレジオンドヌール勲章を受章した粟津正蔵氏を介して、天理柔道との歴史は深い。毎年4月には、天理大で開催される指導者研修会に、多くの関係者が参加している。
市は、ナショナルチームの合宿の受け入れや交流事業の実施に当たり、柔道競技において数多くのオリンピアンが輩出している天理大学、また天理柔道会と連携。オリンピックムードが高まるなか、〝スポーツの街・天理〟の魅力発信にも努めている。

もてなしに感謝

昨年に引き続き、2年連続で行われたエジプトチームの合宿は、今月25日から東京で開催される「2019世界柔道選手権 東京大会」に向けたもの。出場選手8人を含む10人の柔道家が参加した。
選手らは、10日間にわたる滞在中、天理大柔道場で稽古を行い、同大柔道部の穴井隆将監督から指導を受けた。
チームの受け入れには、天理市の職員に加え、天理大の職員らが通訳や稽古、宿泊の世話取りなどに全面協力した。
また、同チームは5日、天理市役所を訪れ、並河市長を表敬訪問。コーチのエルサイード・アブーミダーン氏(41歳)の「天理市と天理大学の方々の行き届いたもてなしに、とても感謝している」とのあいさつに対し、並河市長は歓迎のメッセージとともに、今後も市とエジプトの交流を多方面で活発化していくことへの期待を述べた。
7日には天理大柔道場で公開練習を実施。一般メディア3社も取材に訪れるなか、同大柔道部の選手と共に、乱取りなどの稽古に打ち込んだ。
この後、天理順正館道場へ移動し、柔道を習う地域の子供たちとの交流の場を持った。
選手団の代表を務める、ハーティム・アブドゥルアーヒル選手(33歳)は「経験を積んだコーチやレベルの高い選手と一緒に、素晴らしい施設で練習させてもらえることは大変ありがたい。天理には、柔道に集中して打ち込める環境が整っていると感じた。まずは目前の世界選手権で、金メダルを目指したい」と抱負を語った。

天理時報2019年8月25日号 掲載