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全国大会2年連続「金賞」 天理中箏曲部

天理中学校箏曲部は、先ごろ広島県福山市で開催された「全国小・中学生箏曲コンクール」に出場。昨年に続き、第1位相当の金賞を受賞した。

「女鳴物部」を前身とする同部は、平成7年に「箏曲部」として活動をスタート。「陽気フェスティバル」をはじめとする親里の行事や、県内の国際交流のイベントなどでも演奏を披露している。
日ごろから生徒の自主性を尊重している同部では、数年前から、上級生の部員が中心となって、練習に向かう姿勢や日常生活での過ごし方を互いに指摘し合うようになった。生徒たちが主体的に練習に取り組む伝統が築かれているという。
こうしたなか、一昨年の同コンクールで審査員奨励賞を受賞すると、昨年は念願の金賞に初めて輝いた。
新たに部が始動した昨年11月には「今年も必ず金賞を取る」と、メンバー全員が目標を定めて練習を積み重ねてきた。
心を一つにそろえて
今年の演奏曲目は『春の詩集』(牧野由多可作曲)。本番に向けて、竹村さつきコーチ(67歳)の指導のもと、合奏練習を繰り返した。
そんななか、本番2週間前、練習内容について部員同士で意見がぶつかり、心がバラバラになりかけた。
そこで、全員で話し合うことに。すると、部員一人ひとりの今大会へ向かう意識の違いが浮き彫りになった。
その後も中部萌キャプテン(3年)を中心に、メンバー全員が納得するまでじっくりと話し合うなか、次第に気持ちが一つに。中部キャプテンは「あらためて金賞という目標を定めた原点に立ち返り、『全員がもっと本気になって、最後まで練習を頑張ろう』と部員の心が一つにまとまっていった」と振り返る。
迎えた本番当日。14校がエントリーするなか、同部は9番目に登場。竹村コーチから「楽しんで演奏しよう」と激励されると、息の合った美しい響きを奏でた。
結果発表で金賞受賞が告げられた瞬間、部員たちは歓喜の声を上げ、涙を流して喜び合った。
中部キャプテンは「全員が心を合わせて、目標を達成できた。3年生の引退を前に、この経験から得たことを後輩たちに伝えたい」と笑顔を見せた。

天理時報2019年9月8日号 掲載