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合気道世界大会個人2位 団体V 天理大学合気道部 ローリー・ダニエルズ選手

天理大学合気道部のローリー・フレドリック・リディアード・ダニエルズ選手(4年)は、先ごろアメリカ・サンディエゴで開かれた「2019合気道世界選手権大会」に出場。13カ国・地域の選手が出場するなか、乱取競技・男子個人戦で準優勝したほか、団体戦では日本代表の一員として優勝に貢献した。
スペイン出身でイギリス国籍を持つダニエルズ選手。8年前、合気道の有段者である父親の友人に誘われて、イギリスの道場を見学した。「相手を傷つけずに自分の身を守る技」に惹かれて、合気道を始めた。
稽古を続け、6年前の夏、2年に一度開かれる世界大会に出場するため来日。しかし初挑戦は、初戦敗退に終わった。
その後、「本場の日本で合気道を学びたい」と留学。大阪の語学学校で日本語を学びながら、道場へ通った。こうしたなか、日本語学校の教師から勧められた進学先のリストに、合気道の強豪校である天理大を見つけ、「迷うことなく進学を決めた」という。
1年時の11月には、早速「全日本学生合気道競技大会」で乱取・団体戦のメンバーに選ばれ、天理大の優勝に貢献。さらに、直後の「関西学生合気道新人競技大会」でも乱取・個人戦で優勝を飾った。また2年次には、イギリスで行われた世界大会に再び挑戦し、個人でベスト8入りを果たした。
ダニエルズ選手は、今春「技の精度やスピードは着実に磨かれてきた。もう一度、世界に挑戦したい」と自身の思いを監督に告げ、3度目の世界大会へ。
出場した乱取競技は、1対1で戦い、短刀側と徒手側に分かれて試合が進む。前・後半で攻守交替し、ポイントを多く獲得した者が勝利する。
予選トーナメント初戦で13‐0と大差をつけて圧勝。勢いに乗ると、残りの3試合も勝って決勝トーナメントへ。ここでも相手の日本人選手を5‐2で下し、決勝へコマを進めた。
決勝の相手は、この道26年のベテラン選手。前半、短刀側のダニエルズ選手が「突き」を3本入れて3‐0と先制する。
しかし、徒手側に回った後半は、技を決めきれず、逆に相手から「突き」を5本決められて、3‐5で敗北。惜しくも優勝は逃したものの、自身の最高成績となる準優勝を手にした。
また、日本代表として団体戦の全試合に出場。多くの勝利を収め、チームの優勝に貢献した。
ダニエルズ選手は「世界の大舞台で結果を出せたことはうれしいが、まだまだ強くならなければと感じた。まずは10月の全日本大会で優勝し、あらためて世界一を目指したい」と、先を見据えていた。

天理時報2019年9月29日号 掲載