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“完全優勝”初の関西4連覇-天理大ラグビー部-

天理大学ラグビー部は11月30日、京都市西京極総合運動公園陸上競技場で行われた「関西大学ラグビーAリーグ」の最終節に臨み、京都産業大学に50‐12で勝利。今季7戦全勝の”完全優勝”で、創部初の関西リーグ4連覇を成し遂げた。その結果、天理大は11月24日から始まっている第56回「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」にシードで出場する。

昨年、大学選手権の準決勝で帝京大学の10連覇を阻んで決勝へ進出。明治大学との激闘の末、惜しくも1トライ差で敗れて準優勝となった。
岡山仙治キャプテン(4年)率いる新チームは、3月、大学選手権での雪辱を誓って始動した。
「チームの主力は抜けたが、大舞台を経験したメンバーが多く残っている。そういった選手が昨年の悔しさを常に意識しながらチームを牽引し、全力で日本一を目指している」と小松節夫監督(56歳)は話す。
夏恒例の菅平合宿では、関東の強豪校と練習試合を行った。慶応義塾大学には勝ったものの、早稲田大学には黒星を喫した。
小松監督は、リーグ戦に向けて「スクラムなどの安定している部分にさらに磨きをかけ、不安定なところを修正しながら試合を重ねていきたい」と語った。

“挑戦者”として臨む

今季の関西大学リーグは日本で開催されたラグビーワールドカップの日程との兼ね合いで、例年よりも1カ月早く開幕。天理大は、大阪体育大学との初戦を68‐0で下し、その後も大勝で白星を積み上げた。
9月中旬から約6週間の休止期間に入ると、トップチャレンジリーグの豊田自動織機シャトルズや昨季大学王者・明治大と練習試合を重ね、力試しをした。
リーグ戦再開後も、天理大は”関西王者”の貫録を見せつけるように勝ち進み、11月17日には同志社大学を圧倒して6連勝。最終節を残して優勝を決めた。
30日、”完全優勝”を懸けたリーグ最終節で、天理大は京産大と対戦。相手チームのキックオフで始まると、前半4分、スクラムを起点に右へ展開され、先制トライを奪われる。
しかし7分には、天理のアシペリ・モアラ選手(2年)が相手の守備陣を突破してゴール前までボールを運ぶと、最後は北條耕太選手(4年)がトライを決めて5‐7。続く15分、28分にもトライを重ねて逆転し、17‐7で試合を折り返した。
後半5分、ゴール前スクラムから素早く飛び出した岡山キャプテンが追加トライ。その後も立て続けにトライを決めてリードを広げ、50‐12でノーサイド。黒星無しの”完全優勝”で関西リーグ4連覇を天理大として初めて達成するとともに、同リーグでの連勝数を28に伸ばした。
なお今季のチームは、全7戦の総得点が472点、総トライ数72本、一試合平均67点という高い攻撃力を誇った。一方、総失点は57点。毎試合2トライ以内に抑えるなどディフェンス面も光る。総得失点差は415点で、同2位の同志社大の25点を大きく引き離している。


最終節の試合後、天理大OBで今季終了後の退任を発表している大西健・京産大ラグビー部監督が本紙の取材に答えた。「天理大学はFWとBKのバランスが良く、隙が無かった。シオサイア・フィフィタ選手も力任せのプレーではなく、オフロードパスを生かすなどして戦い方がうまくなっている。大学選手権では、お互い順当に勝ち進めば準決勝で対決する。そこまで残って、もう一度、手合わせをしたい」と話した。
小松監督は「関西リーグでは、最終的に点差をつけた試合が多かったものの、相手の持ち味を出させてしまったり、先制点を取られたりもしたが、試合中に選手たちが自ら修正していったところは、チーム力がついてきた証しだと思う。新チーム発足当初は頼りない部分もあったが、リーグ戦を通して昨年と同じレベルにまで成長してきた。選手権出場校はどこも手強い。”挑戦者”という気持ちに切り替えて、しっかりと準備して試合に臨みたい」と語った。
岡山キャプテンは「創部初の関西4連覇を達成できて、うれしい。最終節では相手のスクラムに苦しめられたが、修正できた点は良かった。昨年、あと一歩のところで日本一に届かなかったが、歴代の先輩方の思いも受けて、一手一つに戦っていきたい」と意気込んでいる。

11月24日に開幕した第56回「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」。天理大の初戦は12月21日、東大阪市の花園ラグビー場で行われる準々決勝で、帝京大と流通経済大学の勝者と対戦する。また、同大会の決勝戦は、このほど完成した新国立競技場で1月11日に行われる。

天理時報2019年12月8日号 掲載