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東京五輪へ出場決定-天理大学OB 大野将平 選手-

国際大会2年無敗 2度目の金を狙う

天理柔道の体現者が再び五輪へ  。全日本柔道連盟は2月27日、東京・講道館で強化委員会を開き、東京五輪柔道日本代表選手を選出・発表した。男女12人の日本代表の名が読み上げられるなか、先ごろ「グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会」で優勝した天理大学柔道部OBの大野将平選手(28歳・大原大教会ようぼく・旭化成所属)が男子73キロ級代表に決定した。

2016年のリオデジャネイロ五輪。柔道男子73キロ級に出場した大野選手は、しっかり組んで一本を取る〝天理柔道〟を体現し、悲願の金メダルを獲得した。
その後しばらくは、天理大大学院で学業に専念。約1年にわたる休養を経て、17年12月の「GS東京大会」から競技に本格復帰した。
翌年2月の「GSデュッセルドルフ」で五輪以来の国際大会優勝を果たすと、続く「アジア大会」「GS大阪大会」でも優勝。さらに「2019世界柔道選手権東京大会」では、3度目の世界制覇を成し遂げた。
こうしたなか、先ごろ開かれた「GSデュッセルドルフ」では、2回戦から出場。得意の「内股」などが冴え、危なげなく勝ち進んでいく。
決勝では、18年の世界選手権覇者である安昌林選手(韓国)と対戦。「内股」で技ありを奪って優勢勝ちを収めた。
大野選手は現在、国際大会で2年間無敗を誇る。

「覚悟をもって 準備するだけ」

「GSデュッセルドルフ」を終えた2月27日、全日本柔道連盟は東京・講道館で強化委員会を開き、東京五輪日本代表選手を選出・発表した。
今回の発表は、3段階方式の第2段。世界選手権やGSなど国際大会の成績を踏まえ、委員会出席者の3分の2以上が後続に大きな差をつけていると判断した場合、代表に決定する。
この日、男子66キロ級と決定済みの女子78キロ超級を除く男女12階級で代表選手の名が発表されていくなか、大野選手も男子73キロ級で選出された。
会見の席上、井上康生・日本代表監督は、大野選手について「デュッセルドルフ大会後も、東京五輪で金を取るために何をやらないといけないかを明確に話していた。彼がより一層輝けるように、最大限のサポートをして共に戦っていきたい」と話した。
その後、行われた記者会見で、大野選手は「自分や周りが思っている以上に、連覇は難しい。だが、自国開催の五輪でそれを目指せることは、これ以上ないモチベーションになる。本当に覚悟をもって準備するだけだ。引き続き、五輪に向けて、天理で稽古を続けていく」と冷静に語った。


東京五輪の最終選考は、4月4日から福岡市の福岡国際センターで行われる「全日本選抜体重別選手権大会」。唯一の持ち越しとなっている男子66キロ級の日本代表は、ここで決まる。
出場を予定している天理大柔道部OBの丸山城志郎選手(26歳・ミキハウス所属)は、同じく代表枠を争うライバル阿部一二三選手との最終決戦に臨む予定だ(3月4日現在)。

天理時報2020年3月8日号 掲載