国際大会 初出場優勝-天理大柔道部 納庄兵芽 選手-
天理大学柔道部の納庄兵芽選手(3年=写真)は、先ごろオーストリアで行われた「2020年ヨーロッパオープン・オーバーヴァルト」に初めて出場。男子60㌔級で優勝した。
今大会はグランドスラム、グランプリに次ぐもので、世界ランキングの対象となる。
納庄選手は兵庫県の名門・育英高校を経て天理大へ。1、2年時は大会への出場機会が少なかったものの、黙々と鍛錬を続けた結果、昨年9月の「全日本学生体重別選手権大会」で自身初となる全国優勝を飾った。
得意技は「内股」。さらに、相手の意表をつく体勢から、投げ技を仕掛けられる。優勝後、全日本柔道連盟のB強化選手に選ばれ、連盟主催の合宿に参加。技の精度やスピードを磨いてきた。
国際大会への初挑戦に向けては、「海外の選手は日本人と全く異なる戦い方をする」と緊張感を持って準備。同部には世界各国の柔道関係団体が遠征で訪れることから、こうした機会に外国人選手との乱取りなど、実戦練習を重ねた。
迎えた今大会は2回戦から出場。初戦、3回戦を難なく突破し、準々決勝は地元オーストリアの選手と対戦した。
試合は終始、納庄選手のペースで進み、得意技の「内股」で「技有り」。さらに、再び「内股」で「技有り」を取り、合わせ技で「一本」。準決勝でも一本勝ちを決め、決勝へとコマを進めた。
決勝の相手は、国際大会で上位入賞経験もあるロシア人選手で、リーチとパワーに秀でている。序盤は、両者一歩も譲らないせめぎ合いを展開。中盤、納庄選手が相手の隙を突く「内股」で「技有り」を奪う。ポイントを取り返そうと果敢に攻める相手に対し、納庄選手が股下から担いで畳に叩きつけて「技有り」。合わせ技で「一本」となり、国際大会での初優勝を果たした。
納庄選手は「海外の選手はパワーが強力で、日本人とは違う攻め方をしてくるので戦いづらかったが、自分が培ってきた柔道を貫いて勝つことができた。学生体重別や今大会での優勝を経て、いままで〝夢〟だった五輪出場が〝目標〟として近づいてきた。今後も結果を残し、2024年のオリンピック出場を目指したい」と語った。
天理時報2020年3月22日号 掲載