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〝一手一つ〟にまず1勝-天理高校野球部-

既報の通り、天理高校野球部は3月19日に開幕する第93回「選抜高校野球大会」への出場を決めた。センバツ大会まで残り1カ月を切るなか、現在、紅白戦などをこなしている(写真)。
昨秋、県大会を制し、近畿大会へ。準々決勝まで勝ち進むも、大阪桐蔭高校戦では、失点に直結するミスが重なり、4‐11で敗れた。
その後、冬の間は走り込みやウエートトレーニングで体づくりに励むとともに、素振りや姿勢を意識した捕球などの基礎練習に注力した。
2月中旬、シートノックやフリーバッティングなどの実戦を想定した練習へと移行するなか、中村良二監督(52歳)は、「甲子園で戦うためにはチームの〝まとまり〟が不可欠」と感じた。そこで練習後の全体ミーティングをなくし、選手に練習を含めたプレー中にコミュニケーションを取り合うことを意識させた。
しばらくすると、選手同士の練習中の声かけが増え、全体に声をかける際は一度、球場全体を静めてから話すなどの工夫が見られるようになった。
中村監督は、こうした選手たちの変化に期待を寄せる。「一つのプレーをみんなが見て積極的に声をかけ合う〝一手一つの野球〟ができれば、チームはさらに強くなる」
チームの要は、近畿大会の初戦で13奪三振の活躍を見せた、プロ注目の右腕・達孝太投手(2年)。
小学時代は捕手だったが、中学生から投手へ転向。天理高では、1年夏からマウンドに立つ。
身長193センチの長身から投げおろす角度のあるストレートに加え、中村監督から「バッターが有利なカウントで変化球が投げられる高校生投手はあまりいない」とお墨付きをもらったマウンド度胸と制球力で、相手打線を抑えていく。
一方でスタミナ不足を感じた達投手。冬の間、日々の練習に加えて自主的にウエートトレーニングに励み、〝下半身で投げる力〟を強化した。さらに、ストレートの球質を高めるため、回転数を意識した投球練習も続けている。
達投手は「調子はまずまず。今後さらにストレートの球質を高め、春には150キロ台の球速に達したい」と意気込む。
今年のチームスローガンは「越」。昨年の先輩たちを越えるチームになり、全国制覇を目指すとの思いが込められている。
内山陽斗主将(同)は「チーム力を高めるために、まずは自ら視野を広くし、積極的に声をかけていく。個々の能力が高くない分、みんなで一手一つになり、甲子園の舞台で、まずは1勝を摑み取りたい」と話した。


なお、天理高の初戦は20日、宮崎商業高校と対戦する。

天理時報2021年3月7日号 掲載