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東京五輪と歯科医の道 二つの夢追うハードラー

金井大旺陸上男子110メートルハードル選手

金井大旺さん

 夢は二つ。東京オリンピック出場。そして「歯科医になる」こと――。

 今年9月の「日本インカレ」110メートルハードルで初優勝。夢を追う異色のハードラーは、3年後の東京五輪で活躍が期待される、注目アスリートの一人だ。
 北海道函館市出身。父・敏行さんは歯科医師だ。「昔から足が速かった」と振り返る通り、小学6年生のとき、ハードルの全国大会で準優勝した。
 現在、為末大氏など多くのオリンピアンが輩出したハードルの名門・法政大学でトレーニングを積んでいる。
 近年、日本人選手の活躍が目覚ましい陸上界。東京五輪、その先の活躍も期待されるが、本人は「陸上は2020年まで。きっぱり辞めるつもりです」。父親の後を継いで、歯科医の道へ進むという。
「自分の中で一番大切にしているのは、〝悔いを残さない〟こと。オリンピックの道を諦めたら、絶対に悔いが残る。だからといって、もう一つの夢を諦めるつもりもない」
 高校生のとき、一度は医療系大学への進学を考えた。それでもトラックに立ち続けることを選んだのは、「3年生の大会で結果を残せなかった悔しさがあったから」。淡々とした口調の中に、揺るぎない信念が垣間見える。
 よく聞くのは、「二兎を追う者は一兎をも得ず」のことわざ。「まあ、気にしてないです」と笑う。
 昨年、腰を疲労骨折するも、復帰して臨んだ今年5月の「関東インカレ」を大会新記録で優勝。7月の「実業団・学生対抗陸上競技大会」では、学生歴代2位の13秒53をマークした。
「人に喜びを与えたい。そう考えたとき、まず浮かぶのは父の姿。父の後を継ぐ道は、やはり譲れない」
 文武両道の若きハードラーは、あえて“二兎”を追い求める。

天理時報2017年11月26日号掲載

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