強固な守備に敗北 涙の8強

天理大学ラグビー部は昨年12月23日、大阪・キンチョウスタジアムで行われた第54回「全国大学ラグビー選手権大会」準々決勝に出場。前回大会準優勝の東海大学に対し、伝統の〝展開ラグビー〟とともに、新たな強みとしてきたフォワードを武器に粘り強く戦ったが、7‐33で敗れ、ベスト8に終わった(写真)。
昨秋の「2017ムロオ関西大学ラグビーAリーグ」では、前季に続いて全勝優勝で連覇を果たし、今大会でのシード権を獲得した同部。
当日は、8千500人の観客が詰めかけるなか、天理大のキックオフで戦いの火蓋が切られた。
開始5分、天理大のペナルティーから東海大にラインアウトを与え、先制トライを許す。その後、じりじりと敵陣ゴール前に攻め込む場面を何度かつくったが、東海大の強固なディフェンスの前にチャンスをものにできない。
両チームの攻守が激しく入れ替わり、無得点の時間が続くなか、30分にはモールから2本目のトライを奪われ、0‐14で前半を終えた。
後半の開始3分にもトライを許し、0‐21と点差が広がる。この後、天理大は関西王者の意地を見せ、5分に敵ゴール5メートル付近からのラインアウトからモールを組み、最後はスクラムハーフの藤原忍選手(1年)がインゴールに飛び込んでトライ。スタンドオフの松永拓朗選手(同)がキックを決め、7‐21と一矢を報いる。
スクラムでは終始優位に立ち、試合中6割を超える時間帯でボールを保持し続けたが、その後も2本のトライを奪われ、7‐33でノーサイドとなった。
試合後、ピッチで涙する選手一人ひとりを笑顔で迎えた小松節夫監督(54歳)は「スクラムやモールでは優位に立てたものの、東海大学のディフェンスが想像以上に固く、ボールを動かして前進する天理のプレーをゴール目前で阻まれてしまった。これからも日本一という目標に向け、ぶれずに努力し続けたい」と話した。
王子拓也キャプテン(4年)は「東海大学の堅固なディフェンスを目の当たりにして、この壁を破ってトライを取れなければ日本一には届かないと実感した。後輩たちには、この経験を糧に、来年この場所に戻ってきてもらいたい」と日本一へのバトンを託した。
天理時報2018年1月14日号掲載