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強豪・国士舘を破り 32 年ぶりV

天理高校柔道部

 天理高校柔道部男子は昨年12月、国際武道大学(千葉県勝浦市)で行われた第34回「若潮杯争奪武道大会」団体戦に出場。決勝で優勝候補筆頭の国士舘高校(東京)を破り、32年ぶりの優勝を飾った(写真)。
「全国高校総合体育大会(インターハイ)」で13度、「全国高校選手権大会」で5度の団体戦優勝を誇るものの、1991年のインターハイを最後に栄冠から遠ざかっている同部。
 そんななか、2016年4月に齋藤涼監督(30歳)が就任。「生徒が練習に取り組む姿勢に甘さが見られた」と当初を振り返る。
 齋藤監督が求めたのは、選手一人ひとりの意識改革。「『自分たちがやる』との自覚を持つしかないので、自分の経験を話したり、実際に組み合ったりして、とにかく厳しく指導してきた」。
 しっかり組んで一本を取る〝天理柔道〟を体現するために、一人ひとりが勝負の流れを読み、自ら考えながら戦えるチームづくりに、1年半かけて取り組んできた。
 この大会は、全国から選抜された16校が1、2年生の新メンバーで臨む〝次年度の前哨戦〟として注目されている。
 中野寛太主将(2年)は「選手権大会のシード権を取るためにも、この大会一本に絞って優勝を狙っていた」と話す。
 予選リーグは、昨年のインターハイ100キロ超級を制した中野主将と、植岡虎太郎選手(同)を軸に他校を次々と破り、3戦全勝で1位突破した。
 上位8校が争う決勝トーナメントでは、準々決勝で白鴎大学足利高校(栃木)を3‐1で下すと、近畿勢対決となった東海大仰星高校(大阪)との準決勝も4‐0で圧勝し、決勝進出を決めた。
 決勝の相手・国士舘高は14年から16年まで、インターハイ団体戦で3連覇を果たしている高校柔道屈指の強豪だ。
 先鋒戦は、水上世嵐選手(同)が引き分け。続く次鋒戦では、植岡選手が序盤から果敢に技を仕掛けるも決め手に欠き、引き分けかと思われた残り2秒、「背負投」を決めてリードを奪った。
 その後は、中堅の山中瞭選手(同)、副将の井上直弥選手(1年)、そして大将の中野主将が、相手に隙を見せない落ち着いた戦いぶりでチームの勝利に貢献。最後まで1ポイントのリードを守り抜き、32年ぶり3度目の優勝を果たした。
 齋藤監督は「選手たちが『絶対に優勝するんだ』という気持ちで、焦ることなく落ち着いて戦ってくれた。中野以外の選手の頑張りも目覚ましかった。全国優勝に向けた第一歩を、これで踏み出せたと思う」と語った。


 現在、3月に開催される第40回「全国高校選手権大会」に向けて練習を重ねている。
 中野主将は「厳しい戦いが続くと思うが、チーム一丸となって競り勝ち、個人でも団体でも優勝を目指したい」と意気込んでいる。

天理時報2018年1月21日号掲載