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〝うまくいっているとき〟を探す

金山 元春高知大学准教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


私たちは、ある問題に直面すると、そのことばかりが気になり、余裕を失くして、常に問題が生じているかのように追い詰められることがあります。

そして、その状況を何とかしようとするあまり、いっそう余裕を失って、問題点ばかりが目に付く――という悪循環に陥ります。
こんな事例を想像してください。あなたは、鼓笛隊の指導者から「隊員のA君は練習に来ても指示には絶対に従わず、いつも遊んでばかりいます。どうしたものでしょうか」と相談を受けました。

「絶対に」や「いつも」などの極端な表現は、余裕を失っているサインです。
私たちは余裕を失うと、うまくいっていないことでも、それまでと同じ対応を繰り返してしまいがちです。その結果、問題状況は続いていくことになります。

うまくいっていないということは、状況が〝これまでとは対応を変える必要がある〟と教えてくれているわけですから、それに素直に従って、別の対応を試してみることが大切です。

ただし、ゼロから始める必要はありません。

予想された問題が起きなかったとき、いつもほどはひどくならずに済んだとき、問題にうまく対応できたときなど、〝うまくいっているとき〟はあります。
そうした発想を持てば、先の相談にも、次のように応じることができるでしょう。

「それは指導者として大変だね。それでも指導を投げ出さないで、こうして相談に来たということは、対応次第でまだ何とかなるに違いないと、希望を持っているからなんじゃないかな。その希望は、どこからくるんだろう。これまでもA君との関わりに、手応えや満足を感じたこともあるのでは。そのときのことを教えてくれる?」

こうした質問に答えるうちに、その指導者は〝A君とうまく関われているとき〟があることを思い出すでしょう。
 
その語りを傾聴しつつ、さらに「そのときは何か工夫したことがあるの?」「ほかにもA君との関係で心がけていることはある?」などと話を続けることで、その指導者の持ち味を引き出しつつ、これからどうすればいいのか、手がかりを見つけることもできるでしょう。

問題状況の中では、解決につながりそうなことが起きていても、そのほとんどは見過ごされがちです。
しかし、状況に変化が無いわけではありません。小さな変化なので、気づかないだけなのです。

状況が困難であると見なされている場合ほど、〝うまくいっているとき〟を探すように心がけましょう。

天理時報2017年11月12日号掲載




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