天・理・見・ど・こ・ろ・探・訪vol.14

大和高原の春を彩るコバノミツバツツジ(山辺郡山添村)
色とりどりの花々が咲き、心躍る季節。今回は、春の大和高原へ出かけました。
天理東インターから名阪国道を走ること約15分。沿道に淡い赤紫色の、可愛らしい花々が群生しているのが見えます。これはコバノミツバツツジという名の日本固有のツツジの花。西日本を中心に分布し、4月中旬ごろに咲き始めます。小倉インターから神野口インターまでの約4キロは、とっておきの〝お花見スポット〟です。
途中、山添村の大和高原民俗資料館を訪ねると、興味深い展示がありました。昔この辺りに大規模な索道(ロープウェー)が架設されていたのだそうです。
大正時代、この地で生産されていた凍豆腐(高野豆腐)の材料や製品を運ぶため、奈良市の京終から都祁村(当時)の小倉まで、約17キロを結んでいました。
ところが、モータリゼーションにより、昭和27年に廃止されたのです。索道の再現模型や資料が展示されていて、なかには人が乗っている写真も。さながらスキー場のリフトのようです。
帰りは神野山の自然公園にあるお店で、山添村特産の大和茶や、地元野菜を使った料理を頂きました。茶葉をまぶしたご飯は、お茶の香りにご飯の甘みが相まってとても優しい味です。
ツツジが彩る里山は、あたかも桃源郷のよう。春を感じに、ぜひ足を運んでみてください。
- 名阪国道からも見えますが、運転中は決して見とれないように
- 索道の再現模型。たくさんの鉄塔がロープでつながり、途中に四つの駅がありました。
- 茶葉をすり鉢ですりつぶして、ご飯にまぶします