リーグ3連覇へ 手応えつかむ

天理大学野球部
天理大学野球部は現在、リーグ3連覇が懸かる「阪神大学野球春季リーグ」に向けて、最終調整を進めている。
昨年、同春季リーグで3季ぶり16回目の優勝に輝き、続く「全日本大学野球選手権大会」ではベスト8入りを果たした同部。さらに秋季リーグでも優勝し、33年ぶりのリーグ連覇を達成した。
「新チームには、昨年から活躍する選手が多く残る。大舞台での経験からワンプレーの重要性を身に染みて感じている。春キャンプでは練習量にこだわり、さらに精度の高い守備と打撃の強化を図ることにした」と藤原忠理監督(52歳)は話す。
ところが、春キャンプ直前の1月、2年生部員の福丸和起選手が白血病で急逝するという節を見せられた。
藤原監督は「福丸選手は闘病中、『また野球がしたい』と話していた。この大節を”生き節”にしたいという思いで選手全員の心が一つになり、『福丸のために必ず全国へ』という強い気持ちで練習に取り組むようになった」と振り返る。
恒例の春キャンプは、2月14日から23日にかけて愛媛県西条市のビバ・スポルティアSAIJOなどで実施。「ゴロを確実にアウトにする」をテーマに、ノック中心の守備練習を繰り返し、打たせて取る野球に、さらに磨きをかけた。
一方の打撃面では、「失投を確実に捉える」ことを意識し、徹底的に打ち込んできた。
藤原監督は「選手たちには『リーグ3連覇のその先を見据え、一つひとつのプレーの質をさらに高めるように』と、常に呼びかけてきた。春のオープン戦の試合内容から浮かび上がった課題をしっかりと修正し、実戦形式の練習を重ねてチーム力を高めていきたい」と語る。
投手陣の柱は、2季連続でリーグの最優秀選手賞に選出された森浦大輔投手(1年)を筆頭に、本格右腕の八木玲於投手(2年)など、磐石とも言える投手陣が控える。
打撃陣では、勝負強いバッティングが持ち味の北川大貴選手(1年)や、長打力が光る早田宏遥選手(3年)らが頭角を現し、選手層の厚みが増してきた。
萩野翔太郎主将(同)は「新チームの発足後、『いまのプレーで全国上位を狙えるのか』と選手同士で指摘し合い、より高いレベルのプレーを目指している。野球ができることへの感謝の心を胸に、リーグ3連覇を果たし、再び全国の舞台に立ちたい」と語った。
阪神大学野球春季リーグは、4月7日に開幕する。天理大は同日、大阪市の南港中央野球場で甲南大学(兵庫)との初戦に臨む。
天理時報2018年3月25日号掲載