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全国大会 個人2選手V 団体準V

天理高校柔道部男子

天理高校柔道部男子は3月20、21の両日、東京・日本武道館で開催された「全国高校柔道選手権大会」に出場。個人戦で2選手が優勝に輝き、団体戦では223年ぶりの準優勝を収めるなど、目覚ましい活躍を見せた。

初めて全国の頂点に 73キロ級
中村洸登選手

 中村洸登選手(2年)は男子72キロ級に出場し、自身初めて全国の頂点に立った。小学2年生から柔道を始め、中学時代は「全国中学校柔道大会」ベスト16まで勝ち進んだ。小学時代から「背負投」を得意技とする。大会を前に、「一戦一戦、集中して戦う」と気合を入れて畳へ。

 初戦を粘り勝ちすると、準決勝では「払巻込」で一本勝ちを収め、決勝戦へ勝ち上がった。決勝では、試合終盤に仕掛けた技で技有り。その後、最後までリードを守り抜き、初優勝を手にした。
 今大会の優勝を受け、11月に行われる「講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」の出場資格を得た中村選手。「天理大学の先輩と練習を重ねたおかげで、焦らず練習通りに試合に臨むことができた。ただ、攻めが単調になったことが反省点。次の大会に向けて足技に磨きをかけ、攻撃のバリエーションを増やしたい」と話した。

夏に続き2冠達成
 無差別級 中野寛太主将

 昨年のインターハイ100キロ超級で優勝した中野寛太主将(同)は無差別級に出場。個人として、夏のインターハイに続く2冠を達成した。

 トーナメントを順調に勝ち進むなか、4回戦は技が決まらず延長戦に。「組み手を研究されていたのか、思うように戦えなかった」が、相手選手の動きに対応して延長1分551秒、技有りで勝利。続く準決勝は一本勝ちし、決勝戦を迎えた。
 相手は、昨年のインターハイ90キロ級を制した、桐蔭学園高校(神奈川)の村尾三四郎選手(2年)。再び延長戦へ突入し、熱戦を繰り広げるなか、延長8秒、一瞬の隙を突いた中野選手が「大内返」で一本。再び頂点に立った。

 23年ぶりの準優勝 団体戦

 勝ち抜き戦で競われた団体戦。準決勝で強豪・桐蔭学園高との対戦が予想されたことから、齋藤涼監督(30歳)は重量級のエース・中野主将をできるだけ温存して勝ち上がるよう指示した、と話す。
 2回戦から出場した天理高は、東海大学付属甲府高校(山梨)との初戦を難なく突破。その後も3回戦、4回戦と順調に勝ち進んでいく。

 迎えた準決勝。桐蔭学園高との対戦で、中野主将が副将として初めて畳に上がった。相手チームの中堅、副将を倒し、大将の村尾選手と再び対峙。激しい攻防の末、引き分けとなり、天理高が一人残しで勝利。23年ぶりの決勝戦へ駒を進めた。
 決勝の国士舘高校(東京)とは、昨年12月の第34回「若潮杯争奪武道大会」団体戦以来の再戦。若潮杯では、天理高が国士舘高を破り、32年ぶりの優勝を飾った。
 試合は、相手の次鋒に二人抜きされる苦しい展開に。その後、中野主将が副将として出場すると、次鋒、中堅、副将をそれぞれ「大腰」「支釣込足」「小外掛」で3人抜き。残すは大将のみとなった。
 ところが、ここで前哨戦の若潮杯には出場しなかった、ロサンゼルス・ソウル五輪の金メダリスト斉藤仁さん(故人)の子弟・斉藤立選手(1年)が立ちはだかる。
 身長189センチ、体重160キロと超高校級の恵まれた体格を誇る斉藤選手を相手に、中野主将、続く大将の植岡虎太郎選手(2年)も敗北。惜しくも準優勝となった。

 中野主将は「あと一歩優勝に届かず、とても悔しい。しかし、練習で磨いてきた技が全国で通用することが分かり、夏に向けて貴重な体験になった。しっかりと反省点を洗い出し、すべてにおいてパワーアップしたい」と話した。

 なお、中野選手は4月29日、東京・日本武道館で開催される「全日本柔道選手権大会」に出場する予定。

天理時報2018年4月1日号掲載