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東筋を彩る早咲きの並木
-親里さくら季vol.3-


神苑の東筋の沿道を美しく彩るサクラ並木が、今年も見事に咲き誇っている。
 これは、静岡県熱海市から運ばれてきたアタミザクラ(熱海桜)という品種。37年前、中山善衞・三代真柱様が友人から贈られたもので、当時は高さ1メートルほどの苗木だった。
 アタミザクラは、1月上旬から咲き始める早咲きのサクラとして知られるが、東筋では例年3月上旬に開花する。営繕部造園課顧問の長谷川佳孝さん(71歳)によると、開花時期が毎年少しずつ遅れているという。親里で長い年月を過ごす中で、環境に順応してきたようだ。

 一重で淡いピンク色の花を咲かせるアタミザクラの特徴は、おしべの色。一般的なサクラはおしべの色も同じだが、アタミザクラの場合、一つの蕾から赤色のおしべを持つ花と、白色のおしべを持つ花が顔を出す。
 また、さまざまな鳥が花の蜜を求めてやって来る中で、アタミザクラには鮮やかな緑が特徴のメジロがよく止まる。花と鳥の赤、白、緑の色のコントラストが格別に美しい。
 帰参者にとって、なじみある東筋の華やかなサクラ並木。足を止めてじっくり観察することで、また違った楽しみ方ができるだろう。

天理時報2018年4月1日号掲載

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