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全日本体重別(66キロ級)初優勝
-丸山城志郎選手-

天理大柔道部OB 丸山城志郎選手

 男女7階級の日本一を決める「全日本選抜柔道体重別選手権大会」が7、8の両日、福岡市の福岡国際センターで開催された。今大会には、天理勢から6人が出場。天理大学柔道部OBの丸山城志郎選手(24歳・ミキハウス所属)が66キロ級で初優勝を果たした。同階級での天理勢の優勝は、15年ぶり2回目。

 4歳のとき、オリンピアンの父・顕志さんが営む実家の道場で、兄・剛毅さん(25歳・パーク24所属)と共に柔道を始めた丸山選手。〝一本を取る柔道〟を幼いころから叩き込まれ、自身もその柔道スタイルに憧れた。
 中学時代には、剛毅さんと共に出場した「全国中学校柔道大会」の階級別で兄弟そろって優勝。地元の高校を経て、剛毅さんが在籍していた天理大へ進んだ。

 天理大では、現役時代の穴井隆将・天理大柔道部監督や2年先輩の大野将平選手(26歳・大原大教会ようぼく・旭化成所属・天理大学大学院生)らと練習を重ね、着実に力を付けた。

 1年生で出場した「全日本ジュニア柔道体重別選手権大会」で優勝。2年生では「ブレーメン国際大会」「講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」で優勝するなど、国内外で好成績を残した。

 ところが、2年生の冬に左膝の靭帯を断裂。手術を受け、約1年のリハビリ生活を余儀なくされた。丸山選手は「講道館杯で優勝し、さあこれからという時のけがだった。試合に出られない間、ライバルたちが活躍する様子を見て悔しかった」と、当時を振り返る。

 その後、けがが回復した丸山選手は、在学中最後の「講道館杯」に出場して準優勝した。
「けががなかったら、という気持ちは、正直言って今でもあるが、あのけががあったからこそ成長できたと思えるような結果を出していきたい」と前向きに捉え、モチベーションを高めてきた。

 大学卒業後はミキハウスに所属。慣れ親しんだ天理大の道場で稽古を重ね、「講道館杯」の体重別で優勝するなど、国内外の大会で上位入賞を果たしてきた。

〝激戦区〟を勝ち上がり

 今大会の柔道男子66キロ級は、世界ランキング2位の阿部一二三選手(日本体育大学2年)が欠場したものの、国内外の大会の上位入賞者がそろう〝激戦区〟となった。

 1回戦は、数々の大会で実績を挙げているベテランの髙上智史選手(26歳・旭化成所属)と対戦した。

 試合は、積極的に攻める丸山選手が終始主導権を握ると、髙上選手に2度の「指導」が与えられる。直後、丸山選手が得意技の「内股」を仕掛けて「技有り」。その後も丸山選手が果敢に攻め続けるなか、髙上選手が3度目の「指導」を受け、「反則勝ち」を収めた。

 続く準決勝の相手は、全日本柔道連盟の強化選手に指定されている末木貴将選手(22歳・センコー株式会社所属)。互いに多彩な技をかけ合う激しい攻防が続いたが、両者とも決め手を欠き、試合は延長戦に突入した。
「必ず相手を投げることができると思っていた」と言う丸山選手が「袖釣込腰」で相手の体勢を崩すと、「技有り」の判定。丸山選手が決勝へ駒を進めた。

 迎えた決勝は、昨年の「講道館杯」の体重別決勝でも顔を合わせた田川兼三選手(筑波大学4年)との対戦。

 試合は中盤、丸山選手が一瞬の隙を突いて「内股」を仕掛けたが、惜しくもかわされる。一進一退の激しい攻防が続くなか、試合終盤を迎えたところで、丸山選手の「内股」を警戒する田川選手の意表を突き、「巴投げ」で「技有り」。今大会の初優勝を決めた。

 丸山選手は「東京五輪を見据え、絶対に勝つという強い気持ちで大会に臨んだ。今後も世界の舞台で、天理らしい〝一本を取る柔道〟を見せられるよう、技の精度を上げていきたい」と語った。



 

今大会には丸山選手のほか、66キロ級に牧野壮一郎選手(天理大4年)、70キロ級に天理高校柔道部OGの新添左季選手(山梨学院大学4年・土佐分教会ようぼく)、73キロ級に大野選手、81キロ級に天理大柔道部OBの山本悠司選手(22歳・旭化成所属・大原大教会ようぼく)、100キロ級に同部OBの辻本拓記選手(25歳・兵庫県警察所属)が出場したが、惜しくも上位進出はならなかった。

天理時報2018年4月22日号掲載