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Final Episode ありがたいメッセージ

立川理


言い訳

平成9年、当時まだ42歳の時のこと。

虫垂炎が悪化して、腹膜炎を併発するという大きな身上を頂き、緊急入院を余儀なくされ、生死を分けるほどの大手術を経験した。
私にとって、信仰的にも人生の上においても分岐点となる、大きなふしとなった。 

当時、私は天理教校第二専修科(平成21年閉科)で勤めさせていただいていたが、緊急入院するちょうど1年前、前任の寮長が退職されることになり、後任として私に打診があった。

「この話はきっと私に向けられるだろう」とうすうす感じてはいたが、もしこの話があったとしても、それだけはどんなことがあってもお断りしようと決めていた。
なぜなら、高校から寮生活を経験し、学生を卒業した後も幹事や塾長などを務めさせていただく中で、私がお世話になった「寮長」というお立場の方は、どんなに大きな事情が起こっても信仰的に対処され、人望も厚かったので、私には到底無理だと思っていたからだ。
しかし、いろいろと考えてはみたものの、言い訳ばかりで断る理由にはならない。

そんな時、父からよく聞かされていた話を思い出した。
それは、「どんなことがあっても言い訳だけはするな。言い訳とは、“良い分け”ともいって、良いものと悪いものをより分けることや。より分けた後は何が残る?後に残るのはがらくたのようなむなしい心や。だから言い訳はするな」という話。

寮生さんには、常々、「どんなご用も『ハイ』と言って返事をし、『ニコッ』と笑い『ポン』と腰を上げて勤めよう」という、「ハイ・ニコ・ポン」の精神を持つように教えており、頭ではお応えさせていただくことが一番良いと思っている自分がいたけれど、なかなか心が定まらず、ちゅうちょしている自分もいた。

最終的には喜んでというより、仕方なくお受けしたというのが本心だった。

サイドブレーキ

寮長となったその年に頂いたのが、冒頭の身上である。

入院中、大教会長様がおたすけに来てくださった。「この身上を喜ばせてもらいや。喜べない心とはサイドブレーキを引いてる車と同じや。
それではいつまでたっても動かん。喜べないという心のブレーキを緩めてみたらどうや。そうしたら勝手に動くよ」というお話を頂き、おさづけを取り次いでいただいた。

私の心を見透かされた気がして、大いに反省させていただいた。

入院している間、教会や学校では、先生方や寮生さんがお願いづとめを勤めてくださり、1日6回までお許しいただくおさづけも、毎日お取り次ぎいただいた。
そして、集中治療室で意識のない私を一生懸命お世話してくださったドクターや看護師の方々のおかげもあり、3日がヤマというところを結構に命をつないでいただいた。

このふしをきっかけに、寮長というお役を頂きながらも、素直にお受けできなかった心をおわびし、「もうええよ」というお声が掛かるまで務めさせていただく心が定まったのである。

にをいのもと

朝を迎え、目が覚める。息をしている。今まで当たり前だと思っていたこと全てが当たり前ではなく、親神様の大きな親心とお働きである。

そして、親神様は心の入れ替えを促すために、ここぞという旬にお手引きくださる。

教会で生まれ育ち、信仰をしていたこと、寮長という立場でものを言っていたこと、それらはあくまでつもりであったことに気付かせていただいた。
しかし、このふしが、私の信仰生活の基盤とでもいうか、信仰の元一日となり、私のにをいがけのにをいのもととなるありがたいふしとなった。

現在は、「天理教校寮」という名に変わったものの、天理教校本科実践課程で伏せ込む学生と起居を共にすることは変わらない。

寮生たちには、これからの道を担う大切なようぼくとなり、巣立ってもらいたい。
また私自身、老いてきた身体を、生徒たちから出る若いエネルギーで充電しつつ、ブレーキを緩めながら、共々ににをいのもと作りに励ませていただきたい。

Happist