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ストレスの正体を知る

金山 元春高知大学准教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


あの仕事がストレスだ、ストレスで頭が痛い―など、ストレスという言葉は、私たちの日常生活にすっかり定着しています。

ストレスで悩んでいる人がそれだけ多いということでしょう。
そこで、これから少し、ストレスを抱えた人と関わる際に心がけておきたいことをお伝えしていきます。

心理学では、ストレスのことを「ストレッサー」と「ストレス反応」に分けて考えます。

ストレッサーとは、私たちに降りかかってくるさまざまな〝刺激〟であり、ストレス反応とは、刺激を受けることで生じるさまざまな〝反応〟です。
先の例で言えば、「仕事」がストレッサーで、「頭が痛い」というのがストレス反応です。

一般には、「ストレス=悪いもの」という印象があると思いますが、ストレッサーが自分にとって嫌なことばかりとは限りません。
たとえば、好きな仕事でも、あまりに多く降りかかってくると、焦ったり、落ち込んだり、不安になったり、体調を崩したりと、ストレス反応を引き起こすことがあります。

私たちは日常的にさまざまな刺激にさらされて生活しているので、自分にどれほどのストレッサーが降りかかっているのかを気づかないままでいることがほとんどです。
しかし、ひどく気分が落ち込んだり、体調を崩したりするまで、自分が限界を超えた負担を抱えていることに気づかない、という事態は避けたいものです。

そうした事態に陥らないためには、自分のストレッサーに気づくことが大切です。
あなたの周りにストレスを抱えていそうな人がいれば、まずは、その人に自分のストレッサーを紙に書き出してもらいましょう。

上司が口うるさい、仕事の量が多い、子供が言うことを聞かない、服のサイズがきつい―など、些細なことも含めて思いつくままに書き出してもらいます。

続いて、それを一緒に眺めながら話を聴かせてもらいましょう。
気の利いたアドバイスをしようと思う必要はありません。
あれこれ口を挟むよりも、「うんうん」「へー、そうなの」などと、相槌を打ちながら丁寧に話を聴き続けることを心がけてください。
それだけでも、その人のストレスはずいぶん軽くなるはずです。

こうしてストレッサーを紙に書き出したり、誰かに話したりすることを、心理学では「外在化」といいます。
心理学の研究結果から、こうした作業を行うだけでもストレスが軽くなることが分かっていますので、試してみてください。

天理時報2018年6月17日号掲載