強力〝天理打線〟今年も健在 – 天理高校野球部-

直前企画 攻撃編
甲子園100回大会へ
第100回「全国高校野球選手権記念大会」が8月5日に開幕する。
その予選となる奈良大会を前に、〝甲子園100回大会〟出場への期待が懸かる天理高校野球部を「攻撃編」「守備編」に分けて、2週にわたり直前企画として紹介する。
梅雨の晴れ間の親里野球場にバットの快音が響く―。
奈良大会開幕まで、残り約1カ月。天理高野球部の選手たちは、追い込みをかけるように日が暮れるまでバットを振っている(写真)。
過去最多の総本塁打68本を記録した前回大会。
強力打線の爆発で、トーナメントを勝ち進んだ天理高は、準決勝で広陵高校(広島)と対戦。壮絶な打ち合いを繰り広げた末に惜しくも敗れたが、27年ぶりのベスト4入りを果たした。
昨年のチームに負けず劣らず、今年もホームランを狙える強打者が揃う天理打線。
なかでも、高校通算25本塁打の三番バッター・太田椋キャプテン(3年)を軸とするクリーンアップは強力だ。
中村良二監督(50歳)は「打撃面では、余計なことを考えず、思いきってフルスイングするように指導している。
太田には、チームを牽引するようなバッティングを期待したい」と語る。
また、走塁面では宮﨑秀太選手(同)と畠中隆次選手(同)の俊足一・二番コンビがチームを引っ張る。
「宮﨑と畠中は、高校レベルでは相当足が速く、走塁の技術も高い。
この二人が出塁して相手投手にプレッシャーをかけ、クリーンアップがタイムリーヒットを打つのが、今年のチームの得点パターン。
さらに、一・二番の二人も長打が打てるので、どこからでも得点が狙える」と、中村監督は話す。
チームは春の県大会準決勝で、強豪・智辯学園高校に黒星を喫した。
中村監督は「得点できるチャンスを抑えられ、踏ん張らなければならないときに失点した。
互角の力がありながら、気持ちの面で負けたことが敗因」と振り返る。
その反省から、夏の甲子園に向け、ウエートトレーニングやバットの振り込みなどを徹底し、精神面も鍛え直しているという。
中村監督は「今年の選手たちは、厳しい試合を勝ち抜いていく力を必ず持っている。
選手一人ひとりが、伝統ある天理の名を背負うことへの自負と、強いメンタルを持つことができれば、甲子園での活躍が期待できる」と語る。
太田キャプテンは「有利なカウントでは、思いきってスイングしていきたい。自分らしい打撃を心がけ、チームを盛り上げたい」と話している。
天理時報2018年6月24日号掲載