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思い込みを解きほぐす

金山 元春高知大学准教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


人間は現実に起きたことと、自分で考えたことがごちゃ混ぜになって、ストレスを溜め込んでしまう場合があります。

仕事が溜まったり、上司から注意されたりすることは、現実として誰にでも起こり得ることですが、そこで「自分は仕事ができないダメ人間だ」「私は上司から嫌われている」などと思い込むと、不安や落ち込み、あるいは怒りといった不快な気分が大きくなり、ときには体調不良に陥ってしまうことさえあります。

あなたの周りに、過度な思い込みに縛られてストレスを溜めているような人がいれば、その思い込みを解きほぐすお手伝いをしてあげましょう。

まずは、どのような状況なのか、どのようなやりとりでそう感じたのかを、ゆったりとした雰囲気で確認します。

たとえば「溜まっている仕事に取り組んでいるとき、上司から『どうだ?』と声をかけられた」ということが語られたとします。

次に、その状況を本人がどのように捉えたのか、頭の中に浮かんだ言葉を紙に書き出してもらいます。その際、「上司は私のことを『全く仕事ができないやつだ』と思っているに違いない」などの言葉が出てくるかもしれません。

ここで、相手のためを思って「気にしすぎだよ」「そんなに深刻に考えないで」などと伝えても、ストレスが溜まって余裕がない人にとって、なかなかそうは思えないものです。

そのような場合は、相手が自分の考え方を見つめ直すきっかけになるような対話を試みてください。

その一つに、〝他人の視点に立ってみる〟というやり方があります。

「あなたにとって大切な人が同じような考えでいたとしたら、どんな言葉をかけてあげるのか」「あなたが信頼している人なら、どんな言葉をかけてくれるだろう」などと尋ねて、それを紙に書き出し、言葉にしてもらうのです。

こうした作業をきっかけに、「上司は単に仕事の進み具合を知りたかっただけかもしれない」「これまでにも仕事が滞ったことはあったけれど、なんとかやってこれたから今回も大丈夫だろう」といった別の考え方が浮かんできて、ふっとストレスが軽くなることがあります。

天理時報2018年7月15日号掲載