JOYOUSLIFE(ジョイアスライフ) - あなたが陽気に 世界を陽気に

第3回:子どもは今を生きている

山﨑洋実HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ


こんにちは。ひろっしゅコーチこと山﨑洋実です。
梅雨、隙あらば水たまりやぬかるみで遊ぼうとする子供たちとそれを止めようとするママたちの攻防が、あちこちで繰り広げられる季節です。「泥んこになるからやめて~!」なんて、ママたちの悲鳴が聞こえてくるようです。

なぜ、子供たちは水たまりに入るのでしょうか。答えは単純、「入りたいから」。楽しそう! 面白そう! だから入ってみたい。それだけなんです。今この瞬間に感じたことが全て。子供たちは「今」しか見ていないし、考えていません。今というときを、目いっぱい楽しんで生きているんですね。

ではなぜ、大人はそれを止めたがるのでしょう。それは、子供たちが「今」だけを見ているときに、大人は同時に「過去と未来」も見ているからです。「この道を通らなければよかったなぁ」「何で白い靴を履かせちゃったのかしら……。長靴を履かせておけばよかった」と過去の行動を後悔したり、「これから出掛けるのに汚れちゃう」「泥だらけになったら洗濯が大変だわ」と未来を想像して落ち込んだりします。これが私たち大人の思考パターンです。

「明日の天気予報は雨だし、洗濯物を増やさない方が良さそうだね。だから今日は水たまりに入るのはやめておくよ」なんていう三歳児はいませんよね。後先を考えずにただ目の前の出来事を心から楽しむこと、それは子供時代の特権です。時間の概念が育つのは、十歳ごろという説もあります。もちろん個人差もあるでしょうが、子供たちは皆、成長とともに衝動を我慢することを知り、過去と折り合いを付けることや未来に備えることを学んでいくのです。「今」というのは、子供だけに許された自由に生きられる幸せな時間なのですね。

目の前で水たまりに入るわが子を叱る前に、「この子は今を生きているのね。子供時代を存分に楽しんでいるんだわ」と感じてみてください。今を楽しんでいる子供のことが少しうらやましくなるかもしれません。

そしてもう一つ。子供たちが自由に行動できたりわがままを言えたりするのは、家族の前だからということも覚えておいてくださいね。保育園や幼稚園、学校。子供には子供の生きている世界があって、その中で自分なりに精いっぱい頑張っているのです。気分が乗らなくても先生の指示に従って公園に行き、お遊戯をして、給食を食べてお昼寝をして……。集団生活の中で、自分のやりたいことだけが優先される訳ではないということをきちんと学んでいます。

皆さんも、外では優しく品のあるお母さんを頑張って演じているのではないでしょうか。家で子供たちを叱り飛ばしたり、ご主人と夫婦げんかをしたりどんなにイライラムカムカしていても、スーパーでママ友と会ったら笑顔であいさつをしますよね。家ではゴロゴロとだらしなかったり不機嫌をぶつけてきたりするご主人も、会社ではそんな姿はおくびにも出さず仕事に向き合い、ビジネスマンとして頑張っているはずです。

家族の前で見せる顔と、外で見せる顔は違います。それは大人も子供も同じです。わが子のできないところや悪いところばかりが目に付いてしまいますが、子供だって外の世界では親が思うよりもずっと頑張っているのです。「○○くん、公園で会うといつもちゃんとあいさつしてくれるよ」なんて、ママ友の方がわが子の頑張っている姿を見ていてくれたりします。

外で頑張っている分、家族の前では緩みます。家の中は安心できる場所ですが、それは感情の嵐が吹き荒れる場所でもあるということ。つまり、安らぎの場所ではないということなんですね。誰もが家の中ではわがままを言ったり甘えたりして、バランスを取っているのです。家の中で安心して自分の感情を出せるから、外の世界でも頑張れる。だから、家の中は嵐でいいと私は思います。

最近よく聞くのが、家では「良い子」なのに外で荒れる子供たちのこと。家族の前で素直な感情を出せない子供が増えているのだそうです。家族の前でグズグズするのは、バランスを取っている証拠。そして不機嫌な自分を丸ごと受け入れてくれる存在として、家族を信頼している証なのですね。

私の講座「ママのイキイキ応援プログラム(通称:ママイキ)」では、子供が家で駄々をこねたりわがままを言ったりしたときは「バランス~」とつぶやいてみよう、と提案しています。子供に癇癪(かんしゃく)を起こされたりすると、親もつい声を荒げて叱ったりしてしまうもの。まずは一呼吸おいて「バランス~」と声に出してみることで、状況を客観視できたり感情のぶつけ合いを回避できたりするのでおすすめですよ。

さんさい


【山﨑洋実(やまさきひろみ)】
HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ。「Fine-Coaching」主宰。結婚後にコーチングを体系的に学び、自身の妊娠出産を経て、「ママのイキイキ応援プログラム(通称:ママイキ)」をスタート。ママ向けコーチングの第一人者として「ひろっしゅコーチ」の愛称で親しまれ、全国の悩めるママたちにアドバイスを送っている。




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