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問題と距離を取る工夫

金山 元春高知大学准教授
本部直属淀分教会淀高知布教所長


 私たちは困難な状況に陥ると、自分のダメなところばかりが気になります。
また、状況の困難さを過度に大きく捉え、不安や恐れ、無力感を抱えて身動きが取れなくなったり、周囲を心配させるような行動を起こしてしまったりすることもあります。

そうした状況にある人を援助する際には、その人が問題と距離を取れるような関わり方を心がけてほしいのです。

逆に望ましくないのは、その人のことを〝問題を起こす人〟(問題=その人)という見方で関わることです。「この子は問題児だ」という表現は、その最たるものです。

当人も「私は悪者」という捉え方で自分を縛りつけて苦しんでいる場合がほとんどですから、周囲の人間がこうした見方で関わることは、その人を一層苦しめ、かえって問題を大きくします。

まずは、その人のことを〝問題に苦しめられている人〟と見てください。そうすれば、「そんな大変な状況の中で、よくここまでやってこれましたね」などと労いの言葉をかけることができます。

次に、その人のことを〝問題に対処してきた人〟と見てください。そうすれば、「ここまでやってこられたのは、あなたが何か工夫したり、心がけてきたりしたからだと思うけれど、そのことについて教えてくれる?」などと尋ねることができます。相手が語る話には、「へえー、なるほど」「そうなんだ」などと、素直な好奇心を持って丁寧に耳を傾けましょう。

こうした対話を通じて、当人の「私は悪者」という縛りが緩んできたら、さらに問題との距離が取れるように、次のような工夫を試みてください。

その工夫とは、問題に〝ニックネーム〟を付けることです。たとえば、不安や恐れが強く、身動きが取れなくなっている場合には、「あなたがこれだけ頑張っているのに、〝そいつ〟がやってくるせいで身動きが取れなくなっているんだね。一緒にやっつけてやるから、〝そいつ〟の名前を教えて」などとユーモアを交えながら尋ねてみてください。

相手から「〝そいつ〟は……『コワコワ』かな?」なんて答えが返ってきたら、「『コワコワ』って言うんだ! そいつがあなたの足を引っ張っているんだね。よし、一緒に『コワコワ』をやっつける作戦会議をしよう。次に『コワコワ』があなたの足を引っ張ろうとしたら、どうする?」などと楽しみ交じりに、今後の対処について話し合ってください。

ふざけているように見えるかもしれませんが、こうして問題と距離を取ることによって、人は問題に対して上手く対処できるようになるのです。

天理時報2018年1月13日号掲載