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第13回:コミュニケーションのすれ違い

山﨑洋実HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ


こんにちは。ひろっしゅコーチこと山﨑洋実です。
自分の家庭で起きた事件だと思って読んでください。

あなたは今日、お風呂掃除用の洗剤を買いました。「少量でピッカピカ」といううたい文句のその洗剤はいつも買うものよりだいぶ高価でしたが、とにかくキレイになると評判の新商品。少量で十分な効果がある上に、週に一回しっかり掃除をすればあとはシャワーでざっと流すだけで効果が長持ちするとのことなので、向こう半年くらいは洗剤は買わずに済みそうです。

新しい洗剤を手に帰宅すると、あなたのお子さん(五歳だとします)が「お手伝いしてあげる!」とお風呂掃除を引き受けてくれました。そこであなたは「ありがとう。新しい洗剤だから、大事に使ってね」と掃除を任せることにしました。

十五分後、「おかあさーん、終わったよー!」とお風呂場からあなたを呼ぶ声がします。そしてあなたがお風呂場のドアを開けると……。
そこには、買ったばかりの新しい洗剤を丸ごと一本使い切り、空のボトルを手に立っているお子さんの姿が。少量で効果がある洗剤を大量に使ったので、お風呂場は全体的にまだヌルヌルしていて、あちこちに泡も残っています。

この状況で、あなたはお子さんにどんな声を掛けますか。想像してみてください。きっと多くの皆さんが「何やってるの!」「大事に使ってと言ったでしょう!」などと子供に怒りをぶつけてしまうのではないでしょうか。

子供の行動の背景には何がある?

では、逆にあなたがお子さんの立場だったらどうでしょう。お手伝いを申し出て、任せてもらって誇らしい気持ちでしたよね。お母さんに言われた通り「大事に」最後の一滴まで洗剤を使って、ピッカピカに掃除したつもりで、「おかあさーん、終わったよー!」と大きな声でお母さんを呼んだのです。どんな気持ちで、どんな声を掛けてほしかったと思いますか? お母さんがドアを開ける直前は、どんな表情をしていたでしょう。怒られて、どんな気持ちになりましたか?

こうして立場を変えて想像してみることをポジションチェンジといいます。時々、子供の立場になって考えてみると、見えてくるものはたくさんありますね。

基本的に私たち人間は「よかれと思った」行動をとるものです。誰かを怒らせよう、陥れよう、迷惑を掛けてやろう、などといった悪意をベースにした行動をとることは、よほどのことがないとありません。お風呂掃除の例でも、子供は「よかれと思って」お手伝いをしたのですね。結果的には失敗があったとしても、お母さんを怒らせようとしたわけではなく、喜ばせたかったのです。

子供が親の思う通りの行動をしてくれないとき、私たちはつい、カッと頭に血が上ってしまいます。「何でそんなことするの!」と頭ごなしに大きな声を出してしまうこともあるでしょう。でも子供たちの行動のベースにあるのは「よかれと思って」「悪気なく」なのです。それを時々、思い出してみてください。

言葉の裏にあるイメージを共有しましょう

そしてもう一つ覚えておいてほしいのが、一つの言葉からイメージするものは、人それぞれ異なるということです。お風呂掃除の例では、お母さんは新しい洗剤を「大事に使ってね」と渡しました。お母さんは「少しずつ大切に使ってね」という意味で「大事に」と言ったわけですが、子供はもしかすると「最後まで無駄にせずに使ってね」と捉えたのかもしれません。

「明日は、少し早めに来てくださいね」と言われたら、あなたは何分くらい早く来ますか? この問いに五分と答える人も、三十分と答える人もいるでしょう。そのどちらも間違いではありません。同じ言葉でも、それぞれの価値観や判断基準で行動は変わるもの。だからなるべく相手と同じイメージを持てるように、「明日は十五分前に集合してください」と具体的な数字や事例を用いて話をすることが大切なのですね。

このようにコミュニケーションというものは、往々にしてすれ違いが起きるもの。それは親子であっても同じです。「ママ、見てー!」とわが子に呼ばれて、「ちょっと待ってね」と答えることはよくありますが、あなたは十分のつもりで言った「ちょっと」が子供にとっては「十秒」だったりするわけです。だから、すぐにまた「ママ、見てー!」と呼ばれるのですね。「しつこいな! ちょっと待ってって言ってるでしょ!」とイライラしてしまいますが、そこにはコミュニケーションのすれ違いがあるということに気が付くと、「時計の長い針が五になるまで待っててね」などと具体的に話をすることができます。相手とイメージの共有ができれば、コミュニケーションはグッと円滑になりますよ。

さんさい


【山﨑洋実(やまさきひろみ)】
HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ。「Fine-Coaching」主宰。結婚後にコーチングを体系的に学び、自身の妊娠出産を経て、「ママのイキイキ応援プログラム(通称:ママイキ)」をスタート。ママ向けコーチングの第一人者として「ひろっしゅコーチ」の愛称で親しまれ、全国の悩めるママたちにアドバイスを送っている。