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第15回:それは事実ですか? 憶測ですか?

山﨑洋実HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ


こんにちは。ひろっしゅコーチこと山﨑洋実です。
ママ友に二回続けて無視されたとしたら、あなたはどうしますか? 私の講座の受講生のAさんは、幼稚園の送迎で会う仲良しのママ友に手を振ったのに、二回続けて返事がなかったことに悩んでいました。多くの人がこんなとき、頭の中であれこれ考えるセルフトークを始めます。

「私があんなことを言ったから怒っているのかも……」
「もしかしたら、私のあの行動が気に入らなかったのかな……」
「それとも、あの件で嫌われちゃったのかな……」

と、頭の中で想像が膨らんで落ち込んだり悩んだり。起こった出来事に対して、憶測でネガティブな想像を膨らませていくのは女性に多い思考パターンです。「手を振ったのに反応がなかった」という出来事に対して、男性は「気付いていなかっただけでしょう」とあっさり受け流す人が多いのですが、女性は「絶対に私のことを無視した」と憶測で根拠なく判断してしまう人が多いもの。

事実と憶測を区別する

それは「事実」なのか、それとも自分の中の「憶測」なのかを常に意識する癖を付けておくと、人間関係で無駄に疲れることが減ってきます。前の例では、「手を振ったのに反応がなかった」のは事実ですが、それ以外は全て憶測。「怒っているのかもしれない」「嫌われたのかもしれない」は、憶測でしかないのです。

頭の中で憶測が始まったら、「あ、これは憶測だわ」とまずは意識できるようになるといいですね。その上で相手に聞けるようなら、本当のところを聞いてみましょう。大抵の場合は、憶測したほど悪い事態ではないことが多いはずです。そして相手に聞けないのであれば、憶測もやめること。「真相はやぶの中」と割り切ってしまいましょう。

この場合も私は、「相手のママ友に直接聞いてみたら?」とアドバイスをしました。Aさんが、「私、何か気に障ることしちゃったかしら。手を振ったのに返事がなかったから気になって」と電話してみると、「コンタクトを落としちゃって。裸眼だったからよく見えなかったの。ごめんね。」という返事が返ってきたそうです。

職場でも、「課長がいつもよりイライラしている」という出来事があると「あのときの失敗をまだ怒っているのかも」などと憶測してしまいますが、何があったか聞けるのであれば聞いてみればいいのです。体調が悪いとか、部長に理不尽なことを言われた、など理由が分かればスッキリしますね。もし本当に過去の自分の失敗を怒っているのであれば、もう一度丁寧に謝罪をしたり、再発防止に取り組むなどの対応もできます。でも、本人に聞けないのであれば「あの失敗は謝罪もしたしリカバリーもしたから、悩んでも仕方ない」と割り切ることです。

自分の思考パターンの中で、事実と憶測を区別して考えられるようになると、相手の話も事実と憶測を聞き分けられるようになってきます。例えば、嫌でも耳に入ってきてしまううわさ話。「あの人って○○らしいよ」「○○なんだって」。それは事実? それとも誰かの憶測? きちんと区別できれば、うわさ話に振り回されることもなくなりますよね。同じように、自分が何かを発信するときにも事実と憶測はきちんと切り分けましょう。場が盛り上がってくると、事実と憶測の境目があいまいになりがちなのも女性同士の会話の特徴です。

子供の憶測に振り回されないで

私たち大人でもそうなのですから、当然、子供たちも「憶測」で話をします。わが子の話も、それが事実か、それとも憶測なのかを区別しながら聞きましょう。子供同士のトラブルの話も、わが子の話をうのみにしないことが大切です。

例えばお友達とのケンカの話を聞いてみると、うっかりぶつかっただけなのに「○○くんが、わざと押してきた」と言ったりします。これはうそをついているのではなく、「わざと押してきた(に決まってる。きっと僕が昨日オモチャを貸さなかったからだ)」という、子供なりの憶測だったりするのです。子供の憶測に親が振り回されることのないように、しっかりどっしり構えていられるといいですね。

また、子供は「こうだったらいいな」「ああなったらすてきだな」という想像を、事実と混同してしまうこともありがちです。事実、憶測、想像。わが子の話を一度全部受け止めてあげてから冷静に判断できる親でありたいですね。

事実か憶測かを区別できるようになると、マイナスのエネルギーに無駄な時間を割くことがなくなります。反省すべきところは反省し、対応できることには対応し、そして悩んでも仕方のないことは悩まない。それは事実?憶測?と、常に自分自身に問い掛ける癖を付けましょう!

さんさい


【山﨑洋実(やまさきひろみ)】
HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ。「Fine-Coaching」主宰。結婚後にコーチングを体系的に学び、自身の妊娠出産を経て、「ママのイキイキ応援プログラム(通称:ママイキ)」をスタート。ママ向けコーチングの第一人者として「ひろっしゅコーチ」の愛称で親しまれ、全国の悩めるママたちにアドバイスを送っている。