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第21回:無視されるより、怒られる方がいい

山﨑洋実HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ


こんにちは。ひろっしゅコーチこと山﨑洋実です。

何度叱ってもいたずらばかりする子、静かにしていてほしいときに限って大騒ぎする子、小さな弟や妹に意地悪をして泣かせる子……。「何度言ったら分かるの!」「どうしてそんなことばかりするの!」とイライラしてしまうことって、ありますよね。「そんな悪い子はうちの子じゃありません!」「もう勝手にしなさい!」なんて感情的に怒ってしまうこともあるかもしれません。

まだ善悪の区別が付かない赤ちゃんは別として、子供たちは大抵の場合、自分の行動が「悪いこと」だと分かっています。それをすると叱られる、と分かっているのです。では、なぜ親が嫌がると知っているのに困った行動を取るのでしょう。答えは簡単、「悪いことをすると親が自分に注目してくれるから」です。

子供たちはお母さんの気を引きたい

この連載でも何度もお伝えしていますが、私たちは皆「自分の存在を認めてほしい」「自分のことを受け入れてほしい」という根源的な欲求を持っています。私たち人間にとって一番つらいのは、存在を無視されること。誰からも相手にされず、その場にいないものとして扱われるということに、本能的な恐怖を覚えるものなのです。

それは幼い子供にとっても同じこと。特に、まだ小さな子供たちにとっては家庭が世界の全てであり、特に母親との関係性は最も重要なものです。母親に存在を無視されるということは、子供たちにとって一番の恐怖です。無視されるくらいなら、叱られたり怒られたりする方がいい。だから子供たちは、親の気持ちが自分に向いていないと感じたとき、わざと怒られるような行動をして親の気を引こうとします。いたずらをしたら、お母さんが駆け付けてくれる。大騒ぎしたら、お母さんが振り向いてくれる。弟に意地悪をして泣かせたら、いつも弟の面倒ばかり見ているお母さんが自分の方を見てくれる。それを知っているから、叱られると分かっていても子供たちは何度も繰り返し同じ行動をするのです。

どんなに落ち着きのないいたずらっ子でも、二十四時間ずっと悪さばかりしているということはありませんね。一人で静かに絵本を読んだり、兄弟仲良く遊んだりしている時間もあるはずです。子供たちが静かにいい子で遊んでいるとき、私たち親は「これ幸い」とばかりに溜まっている家事をしたり、ゆっくりお茶を飲んだりしています。でも、そんなときこそ積極的に子供たちに声を掛けてみてはいかがでしょう。「静かにしていてくれて、うれしい」「弟の面倒を見てくれて、お母さん助かるわ」なんていうふうに。

悪いことをしたらお母さんはすぐに飛んでくるけれど、いい子にしていたら構ってもらえないのだとしたら、子供たちは怒られてでも構ってもらえる方を選びます。無視されるよりは、怒られる方がいいのです。だから、悪さをしているときはむしろ必要以上に声を掛けず、その代わり普通の状態のときこそ丁寧に目を配り、声を掛けてあげることが大切です。「ママはいつでもあなたのことを気に掛けているよ」と繰り返し伝えていくことで、子供たちはわざと悪さをして注目を集める必要はないのだと学ぶことでしょう。

「折り紙をしているのね」「積み木で遊んでいるのね」と子供の様子を見て、それを言葉にして伝えるだけで、子供たちはとても安心します。「偉いね」とか「すごいね」などと無理に子供たちを褒めたりおだてたりする必要はありません。通りすがりにちょっと背中に触れる、名前を呼んで話し掛ける、など日常の中でできることは他にもいろいろあります。毎回は無理でも、時々それを意識してみるといいですね。

「あなたのことを見ているよ」と伝えましょう

相手の存在を認め、それを伝えることを、コーチングの専門用語では「存在承認」と言います。「認める」の語源は「見・留める」だという説もありますが、褒めたり評価を加えることなく、ただあるがままの姿を「見」て、それを心に「留める」ことは、簡単そうに思えて実はとても難しいこと。特別にいい子でいなくてもいい。もちろんわざと悪いことをする必要だってない。ありのままの自分でいてもいいのだと伝えることが「存在承認」です。そして存在を承認される経験を繰り返すことで、子供たちは自己肯定感を育んでいくのです。

わが子に対してはつい見る目が厳しくなるのが親というもの。ダメな面ばかりが目に付いてしまうこともありますね。でも叱る場面が増えてきたなというときは、他の兄弟に手が掛かっていたり仕事が忙しかったりと、親の気持ちがその子に向いていないということも多いものです。そんなときこそ「あなたのことを気に掛けているよ」のメッセージを、しっかり伝えてあげてくださいね。

さんさい


【山﨑洋実(やまさきひろみ)】
HAPPY MOMMY プロデューサー&コーチ。「Fine-Coaching」主宰。結婚後にコーチングを体系的に学び、自身の妊娠出産を経て、「ママのイキイキ応援プログラム(通称:ママイキ)」をスタート。ママ向けコーチングの第一人者として「ひろっしゅコーチ」の愛称で親しまれ、全国の悩めるママたちにアドバイスを送っている。