世界ジュニア 準優勝-天理大柔道部
-笠原大雅選手-
天理大学柔道部男子の笠原大雅選手(2年=写真)は、先ごろカリブ海・バハマで行われた「世界ジュニア柔道選手権大会」男子81キロ級に出場。
海外の強豪選手相手に健闘し、準優勝した。
祖父と両親が経験者の〝柔道一家〟に育った。5歳で柔道を始め、小学6年生のとき「全国小学生学年別柔道大会」男子50キロ級で初優勝。
その後も全国大会への出場を重ね、天理高校3年時にはインターハイ男子81キロ級で優勝を果たした。
天理大進学後も国内外の大会で好成績を収め、今年9月の「全日本ジュニア柔道体重別選手権大会」では、男子81キロ級で初優勝に輝いた。
初挑戦となる世界ジュニアの舞台を前に、技のキレに磨きをかけるとともに、変則的な柔道スタイルの海外選手への対策として、同じようなスタイルの仲間と何度も練習を重ねてきた。
「年齢的にジュニア最後の年となるので、結果を意識せず、自分の柔道を貫こう」との思いで畳に上がった笠原選手。
初戦を一本勝ちして勢いをつけると、2回戦では、ジュニアの世界ランキング1位のエルラン・シェロフ選手(キルギス)と対戦した。
「間違いなく今大会の山場。試合直前までビデオを見て、しっかりイメージトレーニングした」と笠原選手。
序盤、両選手が相手の技を警戒するなか、互いに二つずつ「指導」を与えられる。
試合終盤の勝負どころで攻勢に出た笠原選手が果敢に技を仕掛けていくと、攻めあぐねた相手選手が指導を受け、「反則勝ち」で勝利した。
3回戦でも、再び指導を二つずつ受けたままの状態で延長戦へ。
笠原選手は、大会前に同部OBの大野将平選手から聞いた「最後は執念が大事」とのアドバイスを胸に、最後まで諦めずに攻め続ける。
結果、相手にさらに指導が与えられ、6分19秒の死闘を制した。
その後、準々決勝、準決勝を一本勝ちでトーナメントを勝ち進んだ笠原選手。
しかし決勝では、世界ジュニアランク3位のクリスティアン・パルラティ選手(イタリア)に「払腰」で一本を奪われ、惜しくも準優勝となった。
笠原選手は「この大会には、シニアの大会に出ている強豪選手もいた。その中で準優勝できたことで『〝上のステージ〟でも戦える』という自信につながった。
シニア世界一を目指すためにも、まずはウエートトレーニングなどを重ね、海外の選手に力負けをしないよう鍛えていく」と話した。
天理時報2018年11月18日号掲載