天・理・見・ど・こ・ろ・探・訪vol.24

江戸時代のたたずまいが残る今井町の町並み(橿原市)
天理市南西の橿原市に、いまも江戸時代のたたずまいと情緒を残す今井町があります。
戦国時代に開けた寺内町で、のちに商業都市として発展し、「大和の金は今井に七分」といわれるほど栄えたそうです。
約500棟の伝統的建造物があり、そのうち九つの建物が国の重要文化財。
平成5年には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。
JR桜井線の畝傍駅で下車し、まずは今井まちなみ交流センター「華甍」へ。
ここで町の歴史に関する資料や展示を見て〝予習〟を済ませたら、頂いた地図を手に町歩きに出発!
入り組んだ道の両側に、白壁や板塀、飾り瓦などの町屋が軒を連ね、おしゃれなカフェや雑貨店などもあります。
旧家が続く通りでは、写生を楽しむ人の姿も。
電線が地中に埋められ、道路も土色に舗装されていて歩きやすく、観光客が大勢いても落ち着いた雰囲気が保たれた、不思議な空間です。
重要文化財の一つ「河合家住宅」は、江戸時代から続く造り酒屋で、現在も営業しています。
店の奥で酒造用具などを見学させてもらい、お土産に日本酒を使ったケーキを買いました。
口に入れると大吟醸の香りがふわっと広がり、上品な大人の味です。
何百年も前から続く古い町並みには、静かで穏やかな時間が流れていました。
- 今井まちなみ交流センターの建物も、明治時代に建設された県の指定文化財です
- 今井まちなみ交流センターの建物も、明治時代に建設された県の指定文化財です
- 河合酒造の代表銘柄「出世男」を使った酒ケーキ
- 商業都市として繁栄した町の、歴史の重みが感じられます