昨年の悔しさ晴らし〝花園〟へ
天理高ラグビー部
純白のジャージー軍団が悲願の花園切符――。
天理高校ラグビー部は18日、橿原市の橿原公苑陸上競技場で行われた「全国高校ラグビーフットボール大会」奈良県大会決勝戦に出場。ライバルの御所実業高校に勝利し、3年ぶり63回目の全国大会出場を決めた。
昨年の同大会決勝戦では、御所実業高の勢いに押され、ラスト15分で思わぬ逆転負けを喫した同部。新チームは「残り時間15分からの試合内容」にこだわり、最後まで声をかけ合って集中力を途切れさせないなど、決勝への対策を進めてきた。
今春、「全国高校選抜ラグビーフットボール大会」に出場。予選リーグを3戦全勝で突破すると、決勝トーナメントを勝ち進み、14年ぶりのベスト4入りを果たした。
チームが順調な仕上がりを見せる一方で、10月にライバルの御所実業高が「国民体育大会」少年男子の部で優勝したとの報せが入る。「逆に燃える材料となり、練習に一層熱が入った」と照井悠一郎キャプテン(3年)。10月末には、大阪の強豪・常翔学園高校との練習試合に勝利するなど、上り調子を維持したまま県大会を迎えた。
天理高は、王寺工業高校との初戦、奈良朱雀高校との準決勝を〝100点ゲーム〟で難なく突破。決勝戦は、御所実業高と24年連続の顔合わせとなった(写真)。
試合開始直後、ディフェンスの乱れから御所実業高に先制トライを許してしまう。
「落ち着いて、やってきたことをしっかりやりきろう」と声をかけ合い、防御の修正を図る選手たち。優位に立つフォワードの強みを生かし、パスをつなぐ伝統の展開ラグビーから、リスクの少ないフォワード戦へと切り替える。相手陣地内に入ってはラックを形成し、フォワード陣がじりじりとゴールラインに迫っていく。
前半33分、敵陣ゴール5メートル付近から度重なるサイド攻撃で前進を続け、最後は山村勝悟選手(3年)がインゴールにボールをねじ込んでトライ。作戦変更が功を奏し、7‐5で前半を終えた。
後半4分にはペナルティーゴールを成功させ、さらに点差を広げる天理高。フォワード陣の奮起がチームを鼓舞し、試合のペースを握っていく。
後半26分には、相手のキックボールを奪った本田飛翔選手(2年)が、ハーフウエーライン付近から独走し、そのままトライ。20‐5でノーサイドとなり、3年ぶりの全国大会出場を決めた。
松隈孝照監督(46歳)は「フォワード戦の準備もしていたので、選手たちの試合中の状況判断が、良い結果につながったと思う。まだまだ課題は多いので、全国大会までの残り1カ月半、しっかりと練習に励みたい」と話す。
照井キャプテンは「昨年の悔しい思いを胸に、1年間やってきた結果、まずは〝日本一〟の最初の壁である御所実業高を乗り越えることができた。全国でも一戦一戦ひたむきに戦い、栄光をつかみたい」と決意を語った。
天理時報2018年11月25日号掲載