定時制で唯一の「金賞」
ー天理高第2部バトン部ー
与えられた環境でベスト尽くす
天理高校第2部バトントワリング部(写真)は11月3日、神戸市のグリーンアリーナ神戸で開催された「バトントワーリング関西大会」(主催=一般社団法人日本バトン協会関西支部)の「関西大会の部」に出場。初の「金賞」を受賞した。
天理高第2部バトン部の部員たちは、昼間のひのきしんと夜間の学業を両立しながら、放課後45分間の限られた時間の中で練習している。
また、空き時間を見つけては自主トレーニングに励んできた。
一方、今年に入ってからは、体育館の工事の影響で屋内練習が全くできない状況に。グラウンドの一角で練習するなか、「ラグビー部員よりも、泥々になることもあった」と大柳義徳部長は話す。
高校バトン界では、関西に強豪校が多く、全国優勝の実績を持つチームが少なくない。
同部は昨年まで、天理高第1部バトントワリング部と同じく「全国大会選考の部」に出場してきたが、今年は「関西大会の部」にエントリー。
同部門唯一の定時制高校として大会に臨んだ。
咲き乱れる〝華〟に
今大会の演技タイトルは「百華繚乱」。
テーマや振り付け、衣装デザインを担当した同部OGの野沢響コーチ(19歳・神田郷分教会ようぼく)は「時代の波の中を強く美しく生きる女性の姿を、咲き乱れる〝華〟として表現した」と話す。
大会当日。赤い和柄の衣装に身を包んだ部員たちは、次々と展開する曲調に合わせ、ダイナミックな技を披露。途中、バトンを落とすミスもあったが、部員全員で美しく咲き乱れる〝華〟を力強く演じ、同部門の最高賞である「金賞」に輝いた。
審査員からは「音楽に合った構成、動き、コスチュームなど、テーマ性が感じられる」「和の持つ力強さを上手く表現しており、曲想の変化に合わせた表現方法にも工夫が見られる」と評された。
水上よしのキャプテン(4年)は「与えられた環境の中で一人ひとりが工夫し、限界を超えてベストを尽くせたと思う。支えてくださった方、またコーチや仲間への感謝を形にできたことが何よりうれしい」と語った。
なお、天理高第1部バトン部は「全国大会選考の部」に出場。4年連続となる金賞を受賞した。
天理時報2018年12月9日号掲載