グランドスラム大阪 初優勝
ー天理大柔道部ОB 丸山城志郎選手ー
天理大学柔道部ОBの丸山城志郎選手(25歳・ミキハウス所属)は先ごろ、大阪市の丸善インテックアリーナ大阪で行われた「グランドスラム大阪(=GS大阪)」男子66キロ級の部に出場。決勝戦で、世界ランキング1位の阿部一二三選手(日本体育大学3年)との日本人頂上対決を制し、初優勝に輝いた(写真)。
この大会は、国際柔道連盟主催の世界大会の一つ。大会の成績が世界ランキングに反映される大会であり、2年後に迫る東京五輪に出場するためには、今大会をはじめ、各種大会で好成績を収めなければならない。
丸山選手は、今年4月の「全日本選抜柔道体重別選手権大会」で優勝するなど、国内外の大会で優秀な成績を収めている。日ごろは、慣れ親しんだ天理大の道場で稽古を重ねている。
そんななか、今年10月の練習中に左膝を負傷。11月初旬の「講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」の欠場を余儀なくされた。
「大会に出場できず悔しい思いをしたが、すぐに気持ちを切り替え、GS大阪に向けてコンディションの調整を始めた」と振り返る。
迎えた今大会。丸山選手はけがの影響を感じさせない戦いぶりを見せ、2回戦と3回戦は得意の「内股」で「一本」、準々決勝でも合わせ技で「一本」を取り、勝ち上がる。続く準決勝では、藤阪太郎選手(24歳・大阪府警察所属)と対戦。相手選手が「指導」を受け、「反則勝ち」で勝利した。
決勝戦の相手は、「世界柔道選手権大会」66キロ級を連覇している第一人者の阿部選手。今大会も圧倒的な強さで、トーナメントを勝ち上がった。
試合は、序盤から積極的に攻める丸山選手が主導権を握る。しかし互いに決め手を欠き、両者に一つずつ「指導」が与えられた状態で延長戦に突入。一瞬の油断も許されない緊迫した展開のなか、延長開始1分、丸山選手が「内股」を仕掛け、阿部選手の体勢を崩すと、すかさず「巴投」。阿部選手の体が横に倒れて「技あり」となり、丸山選手が初優勝を決めた。
丸山選手は「けがの影響もあったが、すべての試合で速さを意識した得意な形で勝つことができた。東京五輪に向け、さらに高いレベルを目指して稽古を重ねつつ、自分の柔道を信じて、一つひとつの試合に臨みたい」と力強く話した。
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なお、今回のGS大阪には、丸山選手のほか、男子73キロ級に同部ОBの大野将平選手(26歳・旭化成所属・大原大教会ようぼく)、女子70キロ級に天理高校柔道部ОGの新添左季選手(山梨学院大学4年・土佐分教会ようぼく)が出場した。
大野選手は、決勝戦でリオデジャネイロ五輪男子66キロ級銅メダリストの海老沼匡選手(28歳・パーク24所属)と対戦。互いに技を掛け合う一進一退の攻防の末に、大野選手が「内股返し」で「技あり」。激闘を制し、大野選手が優勝した。
新添選手は準決勝で敗れたものの、3位入賞となった。
既報の通り、天理高ラグビー部は27日に開幕する、第98回「全国高校ラグビーフットボール大会」に出場する。
同大会は、デジタル衛星放送「J‐SPОRTS」で全試合がライブ中継される。また、インターネットサイト「HANAZОNО LIVE」でも全試合が生中継され、無料で観戦することができる。
天理時報2018年12月16日号掲載