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けが乗り越え 3連覇めざすー天理高第2部柔道部ー

天理高第2部柔道部女子 佐野明花里 選手

天理高校第部の生徒たちは、昼間のひのきしんと、夕方からの授業を終え、しんと静まり返った夜間、それぞれの部活動に励む。
柔道部女子2の佐野明花里選手(3年=写真)は、2・3年時の「全国高校定時制通信制体育大会」柔道女子63キロ級で連覇を達成。高校最後となる今年、創部初の大会3連覇を目指して練習に励んでいる。

3歳上の姉が柔道を始めたのをきっかけに、自身も地元・埼玉の道場で習い始めた。
中学校では、部活動とともにクラブチームにも所属。2・3年時には県大会で準優勝を収め、県強化チームの一員として稽古を受けた。
天理高入学前、練習中に右膝の前十字靱帯を切る大けがを負った。手術を経て柔道部に入部したものの、完治まで1年を要した。
その間も組み手や打ち込みなど、上半身を使ったトレーニングを欠かさず、2年時の春に完全復帰。その年の全国定通大会で初優勝を飾ると、翌年も優勝し、連覇を達成した。
 
佐野選手は「中学までは言われたことを必死にやり続けてきた。いまは親元を離れ、日中のひのきしん、学校、部活と、とても忙しい日々を送っている。そうした中にあっても、自分で考え、楽しみながら柔道に取り組めている」と話す。
授業後の練習時間は1時間にも満たない。それでも「中学生のときよりも、集中して練習できている」と。

一方で、「部活に行きたくない」「人間関係が苦しい」と思うこともあったと、本音をこぼす。
「意思が弱くなったとき、監督や先輩たちが話を聞いてくれたから、こうして柔道を続けられている」と、屈託ない笑顔を見せた。
得意技は、「内股」「大内刈」。足技を中心に戦っていくスタイルだ。

現在、基礎トレーニングで体力をつけ、連続して技を仕掛けられるよう、何度も打ち込みを繰り返している。
西山正通監督(36歳)は「力強さが彼女の魅力だと思う。実力を発揮しながら、下級生のころからチームを引っ張ってくれている」と話す。
新チームではキャプテンに就任した。「私を支えてくれた先輩たちのように、後輩たちを導き、頼ってもらえるよう成長していきたい。個人戦はもちろん、このチームで優勝を手にすることが目標」と、きっぱり話す。

天理時報天理時報3月17日号 掲載