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Second Episode 世界一れつ、皆きょうだい

伊賀生琉里分教会 利光誠治先生


ハッとした少女の一言

 数年前、京都駅から青森行きの寝台列車に乗車した時のことです。初めて寝台列車に乗車する私は、興味津々でちょっとドキドキしながら、一晩分の食料と飲み物を買い、列車に乗り込みました。
 列車内の部屋は、2段ベッドが向かい合わせに置かれ、二つで一部屋になっていました。また、洗面所とトイレは別で、それぞれのベッドがカーテンで仕切られており、同じ部屋といっても、それぞれのプライベートが楽しめる構造になっていました。
 私が予約していたのは下段のベッドで、向かいのベッドには、若い母親と少女の親子連れが既に乗車していました。軽くあいさつをし、カーテンを閉めて、早速夕食の弁当を食べようとしたところに、その少女が「おっちゃん、一緒に遊ぼう」と、私のベッドに飛び込んで来ました。
 母親は「すいません」と一言。今のご時世、見ず知らずの私に、いっときでも自分の娘を関わらせて良いものかと驚き、少し戸惑っているようでした。しかし結局、その少女とは長い時間、一緒に折り紙をしたり、絵を描いたり、お菓子を食べたりと、楽しい時間を過ごしました。
 寝台列車には消灯の時間があります。さすがの母親も「もう寝るから、こっちへ来なさい」と促してくれました。しかし少女は言うことを聞きません。「そこは違う人のベッドです。早くこっちへ戻りなさい」。このようなやりとりがしばらく続いた後、少女は泣きながら母親に言いました。「お母さん、違う人、違う人って言うけど、みんな同じ人間や」と。
 母親が言っていることと、少女の答えに、さまざまなずれがあるのはさておき、私は少女のその一言にハッとしたのです。

人を見る心に


 私たちの生活は、夫婦、親子、きょうだい、友達など、さまざまな人間関係の上に成り立っています。その関係には、浅い関係や深い関係、そして良いときもあれば、悪いときもあり、当然、これから関わる人もいれば、一生関わらない人もいると思います。
 例えば、皆さんは現在の人間関係の中で、どのような心で人と接しているでしょう。また、初めて出会った人と、どのような心で関係を築いていくのでしょう。
 ごく自然なことかもしれませんが、相手の言動に一喜一憂したり、相手の人となりを見たりして、善悪を判断し、付き合いを決めていくことが多いと思います。そこには、人を見る自分の心の基準が、知らず知らずのうちに備わっているのではないでしょうか。
 親神様は、世界中の人は皆、きょうだいであり、他人ということは決してないとお教えくださいます。
 少女は「みんな同じ人間や」と言いました。その言葉には、何の汚れもない素直な心があるのだと感じます。私たちも、人を見る心の根底に「みんな、きょうだいなんだ。だからこそ、仲良くたすけ合うことが大切なんだ」という教えをしっかりと持って、日々を通りたいと思います。
 その親子は終着駅まで行かず、明け方に途中の駅で降りられました。降り際、既に起きていた私に母親は「昨日は本当にありがとうございました。実は父親がいなくて…。娘は本当に楽しかったんだと思います」と、まだ眠っている少女を背負いながら胸の内を聞かせてくださいました。その親子にとって、私の取った行動は、ほんの少しの癒やしになり、私自身の励みとなりました。
 このような出来事は滅多にありませんが、実は毎日身近にあることだとも思います。
 教えに基づいた自分の心一つで、人の心の隙間を埋めることができ、また、自分も勇むことができるのです。一人ひとりがそういった心で生活をしていれば、きょうだいである人間が、みんな幸せに近づき、まさに親神様のお望みくださる、陽気ぐらしへ向かうことができるのではないかと感じました。(つづく)

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