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〝人生の晴れ舞台〟を演出 「低く優しい素直な心」で

坂本 真彩ブライダル専門学校教員

坂井真彩

人生の晴れ舞台をプロデュースするウエディングプランナーの経験を生かし、昨春からブライダルの専門学校で講師を務めている。
「高校時代から、結婚情報誌を読むのがとにかく好きで。人と深く関わる仕事に、魅力を感じていた」
天理高校第2部を卒業後、専門学校を経てブライダル会社に就職。5年間で300組以上の結婚式に携わった。

プランナーは、いわば結婚式の〝総合プロデューサー〟。新郎新婦が思い描く式の形を引き出し、シェフやスタイリストなど多くの人たちの調整役を務める。

「華やかな舞台の裏で、人を動かす仕事。日ごろのコミュニケーションの密度が、式の成否に大きく関わる」
 プランナーとして忘れられないことがある。式を控えた新婦が、式場に飾る花を選んでいる際に突然泣きだした。直前に母親が亡くなり、遺品を整理していたとき、自身が着るために仕立てた留袖を見つけたのだという。

「きっと母も、一緒に式の相談をしたかったと思う」
そう言って涙をこぼす新婦に、掛ける言葉が見つからなかった。「自分の仕事が、一人の人生を左右するかもしれない。人としてのあり方が大切なのだと気づかされた」

昨春、経験を買われて、プランナーやドレススタイリストなどを育てるブライダル学校の講師に。「教える中で、自分自身もきっと何かを学べるはず」と、自身の成長の可能性に賭けた。いずれは、プランナーとして復帰するつもりだ。

「プランナーには、必須の資格はない。だからこそ、常に何かを学ぶ姿勢と、物事がうまく運ばなくなったとき、周りではなく自分に〝矢印〟を向けることが大切。生徒さんには、天理高校で学んだ〝低く優しい素直な心〟を伝えていくつもりです」

天理時報2016年2月21日号掲載