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父のひと言で心機一転 側を楽にする経営者に

池本 知紀(株)池本工務店取締役

池本知紀

「祖父は大工。父は建築士。自分は〝経営者〟になりたい」
 従業員12人の工務店の3代目。父・年一さん(57歳・同布教所長)の背中を追いながら、「経営者の仕事は、仕事を取ってきて、会社と社員を守ることだ」と考え、神戸大学工学部建設学科を卒業後、「会社経営を勉強するつもりで」大手建築会社に就職した。
 ところが、利益を徹底的に追求する職場は過酷だった。2年でメンタルが限界に達し、怒られると思いつつ年一さんに相談すると、「よう頑張ったな。もう大阪に戻ってこい」と、意外にも優しい言葉をかけられた。
「見抜き見通しの親心にふれ、再出発を決意した」
 修養科を経て、代表取締役の父のもと工務店の営業担当に。建築一筋35年の年一さんの「お客さんの希望に精いっぱい応え、喜んでもらうことが第一」という理念を尊敬していたが、仕事に追われる社員の姿に、「もっと良いやり方があるのでは」と葛藤した。
 そんななか、自宅のリノベーションを希望するある夫婦と出会った。奥さんは、インテリアにこだわる一方で、ご主人は金銭面に厳しい。知識をフル活用しながら徹底的に打ち合わせを重ね、二人の理想を形にした。
 意見が食い違っていたはずの夫婦が、完成した家を見て喜ぶ姿に「父の経営理念は〝おたすけ〟に通じる」と納得した。
 顧客の〝理想の家〟を探し求める中で気づいたことがある。
「家を建てることは、人の人生に関わること。設計の相談はもちろん、困っていることがあれば必ず解決する。それが自分にできる〝側を楽にする〟こと」
 家業を発展させることが、一番の親孝行だと考えている。
「経営の面で父を支えながら、ようぼくとしての信仰姿勢も学んでいきたい」

天理時報 2016年7月3日号掲載




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