天・理・見・ど・こ・ろ・探・訪 vol.5

1千株のツツジが彩る古刹 長岳寺(天理市柳本町)
うららかな春の陽気に誘われて、ツツジが見頃の長岳寺にやって来ました。
長岳寺は弘法大師が開いたとされる名刹で、四季折々の草花が楽しめる〝花の寺〟として有名です。春は1千株ものヒラドツツジが咲き誇り、広い境内を華やかに彩ります。
天理駅から桜井方面行きのバスで約15分。上長岡で下車し、細い路地を東へ10分ほど歩くと、長岳寺の山門が見えてきました。
日本最古の鐘楼門(重要文化財)をくぐり本堂へ。階段を上がり、ふと見上げると、天井に人の足形が!実はこれ、戦国時代に寺の境内で戦った武将の血の足跡で、その足跡が付いた床板を天井に張り替えたものだそうです。合戦のすさまじさを想像し、思わず息をのみました。
本堂前の池にはカキツバタが植えられていて、清楚なカキツバタとツツジの〝美の競演〟も素敵です。
境内をさらに東へ進むと、大きな釣り鐘を発見。看板には「一願成就の鐘」の文字が。目をつぶり、心を込めて撞きました。何をお願いしたかは秘密です。
お昼は重要文化財の庫裏で、地元名物のそうめんを温かくして頂く「にゅうめん」に舌鼓。3年寝かせた「ひねもの」の麺はコシがあり、風味豊かです。
1千年の歴史が醸す情趣とともに、四季折々の風景を楽しめる古刹は、いろいろな楽しみ方ができそうです。