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天・理・見・ど・こ・ろ・探・訪 vol.7


古人の知恵に思い馳せ 福住氷まつり(天理市福住町)

 今回は、暑い夏にひと時の涼を感じる「福住氷まつり」を紹介します。
 天理市北東部から東に広がる大和高原一帯は、標高が高く気温も低いことから、古より氷作りに適した地でした。『日本書紀』に、この地に天然の氷を貯蔵する「氷室」があったという記述があり、宮中では、献上された氷で〝オンザロック〟のお酒を楽しんだといわれています。古人の知恵はすごいですね。
 大和高原にある福住町は、この古代の氷室を復元し、往時と同じ環境で保存した氷を夏に取り出す、村おこしのイベントを毎年行っています。
 7月の第3月曜(祝日)、集まった参加者は順に氷室に入り、見学します。その後、取り出した氷の塊を子供たちが荷車に載せ、町内を練り歩きます。
 冬場に約3トンもの氷を貯蔵しますが、地球温暖化の影響か、夏まで残る量は年々減っており、2016年はわずか13.6キロでした。
 それでも子供たちは、とても楽しそう。終点の福住小学校では、バザーや模擬店などが行われ、家族連れで賑わっていました。
 帰路、天理駅近くの本通り商店街にある喫茶店で、大和高原産のお茶を使ったかき氷を食べました。ふわふわの氷に抹茶のシロップがたっぷり。甘さとほろ苦さが楽しめる大人の味です。
 大人の味といえば、古人が楽しんだというオンザロックのお酒にも、ひそかに心ひかれました。

いきいき通信