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天・理・見・ど・こ・ろ・探・訪 vol.10

龍王山

歴史のミステリーいっぱい 龍王山(天理市田町)

 お天気のいい日、龍王山へ向かいました。
 標高586メートルの山頂には、中世の豪族・十市氏が築いた山城の跡があります。南北二つの城からなる「別城一郭」で、両方を合わせた面積は大和随一。しかし十市氏の支配は長く続かず、戦国時代に落城してしまいます。
 この辺りには、落城にまつわる悲話が伝えられています。――雨が降りそうな夏の夜、龍王山に向かって「ホイホイ」と叫ぶと、城跡のほうから兵士たちの怨念が火の玉となり、ジャンジャンと音を立てながら襲ってくるという「ジャンジャン火伝説」です。
 また山の西斜面には、円墳と横穴墓が合わせて600基を超える古墳群があります。今後の調査でさらに増えるかもしれない、県下最大級の群集墳です。
 登山口で車を下り北城跡へ。山道の途中に、土塁や廓、馬に水を与えた馬池の跡などの遺構があり、戦国の往時を今に伝えています。
 南城跡へは、登山口から徒歩で15分ほど。山頂からの眺めは素晴らしく、大和三山(畝傍山、耳成山、天香久山)を含む奈良盆地のパノラマが広がります。天気が良ければ、遠く明石海峡大橋を望むこともできるとか。
 帰りは山奥のそば屋さんで、ざるそばを頂きました。そば粉は地物で、味も香りも格別。11月の新そばの季節に、また来たいな。
 秋の一日、歴史のミステリーいっぱいの龍王山に、ぜひ登ってみてください。

いきいき通信